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季刊/凹みスタディ

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2022年 05月 13日

ミミズクの歌

2022年5月、
なにかと暗い話も多かったですが、やっぱり春は来てくれるんですね。
いやー、久しぶりのブログ更新です。
やろう、やろうとは思っていたのだけど、
ついつい流されるのです。
いいのいいの、このくらいじゃないとこんなに長く続けられなかったし。


さて、2021年からです。

2月、ホームページが完成したからか、どうなのか、
1週間のうちに、新しい展示の話が数個舞い込む。
とは言ってもこういうのって全部実現するわけじゃないし。
それでも、僕らの労力をつぎ込んだホームページが早速報われてうれしい。

そして1週間のうちに、4つの美術館での搬出。
何だか、売れっ子みたいでしょ。
だけど、全然そういうわけではなく、
やりっぱなしだったのも含め、ただ重なっただけなんです。

3月
ギリシャのコンペ。死にものぐるいで、最強のプロポーザルをつくれた、と思ったけど、
ダメでした。
ノーマル、ノーマル!

4月
中国は深圳のアートセンターで東京エクスプレスという展示に参加。
初めてアーティストトークをズームでやった。
へー、コロナが終わっても、これからはこういうのもありになるんだろうな。楽しいか、と聞かれたら、やっぱり実際にその場にいられる方がいいかな。
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ある日、
気づいたら、一人で、うわっ、ビューティフル。。。
と言ってしまう、彫刻ができた。
恥ずかしいので、ここでは絶対見せないけど。



けんの小言。
それにしても、日本のメディアの方々。
責任、責任って。
なんで、そんなに責任を取らせたいのかい。
責任の取り方を知らない奴ほど、
責任を要求しているように見える、僕だけでしょうか。。
人間だもの、いろいろあるじゃない。
何かを成し遂げる過程でなんか、失敗のほうがずっと多いでしょう。
そのたくさんの失敗を乗り越えて、やっと自分が為すべき責任、責務を果たせるんでしょ?
だから、その過程のこまい失敗とかに、反射で反応しなくていいと思うんです。
この時代、いろいろ便利になったけど、この反射に伴う異常なスピード、そこはどうかなと思う。もっと、ゆっくり、じっくり見てあげよう。
少なくとも、ぼくのまわりの人は、どうしようもない時期の僕をそうやって見守ってくれて、ある時は我慢してくれて、僕を生かしてくれました。
決して蓋をしないでくれました。

そもそも責任ってなんじゃべ?はて?

ちなみにもし、
僕にとってただ一つ果たすべき責任があるとすれば、
少年の純朴、直感を忘れずに、自分の夢を追いかけ続ける、
ということくらいかな。

少年を保つのは簡単そうで実はとっても難しい。でも、
自分の夢に、船に乗っかってくれた人には、なんとかして新大陸を見せる、感動できる風景を見せる、少なくとも見せようと努力し続ける、
そういった少年の熱を内に保ち、冷まさないことが、僕たちの果たす責任なんだと思います。
ほんと、ごく特殊な職業の僕らにしか当てはまらない話だけど。
そして今日も僕は、こういうことを考えると、
よし、もっとしっかり制作しなきゃな、と思えるのです。




これまた、恐ろしく運気の落ちた2週間が訪れる。
●インターネット、電話、2週間通じなくなる。アパートまるごと。(これがベルリンです)けっこうきついですよ。
●荷物のピックアップに来ない。(作品の郵送が遅くなるとやばい)
●日本の財団宛の報告書、届かない。(これもやばい)
●リモート搬入、搬出中に、恐ろしい事実が発覚する。
某美術館のスタッフにお願いした彫刻の搬出、完璧な指示書をつけたのに、
なぜかそれを見ず、全てのパーツを分解してしまったバラバラ事件。
数パーツに別れるはずが、数十パーツに分けられていた。(けん、あや、びびった。どうやって元に戻すんだよ)
●4日連続、晴れてると思って走ったら雨にやられる。(これに関してはけんが無謀だった)
●父の足の具合が悪いようで、下手したら切断ですよ、と脅されたらしい。(これが一番びびった)
●ドイツの公共彫刻コンペ、3つ出して、全滅!
やっほー、
これくらい、ノーマル、ノーマル!


6月 ベルリンでのワークショップと駅での展示
僕たちの将来を、明るく開いてくれるような作品を目指しました。
そして、せっかくワークショップツアーに足を運んでくれるのだから、その方々への、尊敬と感謝。今までなかなかできなかったことをやろう。演出とか、準備とかも。


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フレスコボールでのリフティングに挑戦。
このボール、テニスボールとスーパーボールの中間くらいの大きさで(直径5cmくらい)、跳ね具合もその中間くらい、めちゃ跳ねるし、とても足で扱える代物ではありません。
でも、毎日の運動の時間は限られているけど2種類はしたいという僕。ジョギングに行く時、同時にポケットに持っていける大きさのボールということで思いつきました。
とにかくよく飛ぶので、最初は走り回されたけど、なんとか楽しく遊んでもらってます。



ベルリンから1時間ほどの、ミッキーとステファニーの家へ。
大自然の中にポツンと立つ邸宅。
彼らの絶品チリコンカルネの作り方を伝授してもらう。
DDR時代のバイクを貸してもらい、ミッキーとツーリングへ。
静謐な川を手漕ぎボートで満喫。

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なんだか、いつの間にか、
40点くらいの作品貯金ができていた!!
しかもちょっと前に二つの個展が始まったばかりなのに。
いいことなのか?
売れっ子なら、こんなことにはならないのです。
(つくった端から売れていくから)
でも、いいことだよ。


7月 一連の引越し騒動。
現在住んでいる家に、総リノベーションが入るため、数ヶ月他の家に移らなくてはいけなくなった。
7月13日引っ越し
9人の屈強な男たちが来てくれたが、丸一日かかる。
へとへと。

電気、インターネット、ガス、住所変更、
お風呂とキッチンで水漏れ。床がベッタベタに汚れてる。
水周りの垢。
なんか書くのめんどくさくなってきた。


オランダ、新規感染者がドンと増えて、
ロッテルダム行き、キャンセル。
ただ、慌ただしかったのでこのキャンセルは嬉しかった。(内緒だけど)


さて、3年ぶりの日本へ向けて。
PCR。
7月30日、日本へ。
東京で15日間の隔離。
(ホテル代や専用ハイヤー、もろもろ全部自腹です。ドイツでも出発前、日本到着時にもPCRして陰性なのに)
あほらし。
1日数回の居場所確認。
けん、それでも、いいジョギングコースとリフティング場所をみつけ、ごきげん、隅田ボーイになる。このためだけに、隅田川沿いの宿にしたのだ!!

この15日間の缶詰、でも彩ちゃんにとっては著書に集中できる貴重な時間になったのである。



お盆に札幌着。ちょうど猛暑が過ぎ去った時だったので、札幌のみなさんには悪いがとても住みやすい。
それでもこれからの温暖化に備えて、実家にエアコンを新調する。
真夏に帰郷するのが楽しみ!



9月 東川町に1週間滞在し、凹みを探す。
何から何まで、本当に楽しかった。
水も日本一なら、人間もまた一流、みんなかっこよかった。

いい凹みにも出会えたし、みなさんにやさしく遊んでもらったし、美しい渓流でニジマスも釣ったし、
美しい朝に近くを流れる忠別川のサイクリンロードでジョギング、さらに持ってきていたローラーブレードも最高に気持ちいい。最終日に、こけて膝を少し削ったけど。

好きな街ランキング、トップクラスに食い込んできました。
街の方々と交渉し、この滞在をコーディネートしてくださった、小林(俊)さんにただただ感謝。

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9月、10月、11月 彩ちゃんは今年の後半、著書に全てを捧げる。(ほんとに文字通り)
せっかくの日本なのに、ほとんど籠りっぱなし。
彩ちゃんの知られざるパーソナリティが、顕著になる日々だった。
文章から写真、書面構成まで、
妥協の「だ」の、濁点ほどの妥協さえ、許さないのだった。

そこに出版社である「かりん舎」さんの、辛抱強い知性という最強のツールが加わったのだから。
1x1=3という現象を、初めてみた。



僕の方も12月の個展に向けて、ただただ制作。今回は想いが違う。
ドイツでただ呑んだくれているだけだ、と思わせないよう、
培ってきた技術、体力、気持ちをしっかりとつぎ込みたい。
少しはましになった作品を、ここ札幌でみせたい。
いや、見せないといけない。

そしてこの気持ちが、
僕の制作パートナーである東興株式会社さんに伝わって、今回も温かく協力してもらいました。
(しかし、この3人朝からずいぶんと陽気だけど大丈夫?)
(本郷新彫刻賞や宇部ビエンナーレの彫刻制作もこの3人+彩子でやってます)
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12月 
本の完成。
一体何度、お互いの健闘をたたえあって、
一体何度、乾杯しただろう。
お疲れ様でした!

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個展が始まる。
こんなにずっと展覧会場に詰めているのは生まれて初めて。
たくさんの方たちの生の顔、反応を見られる。これはとても嬉しいことだけど、実はとても怖いことでもある。本当に怖いことである。自分の全てをさらけ出し、つぎ込み、そして、それを見ている人の反応を目の前で見るのだ…

それでも、こんなにたくさんの方が、知らないところで応援してくれてたんだ。と、心が熱くなる。

あと、藤倉翼さんから百万点の評価を頂く。
これは嬉しかった。
その後、この写真も撮ってもらいました。
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さて、展覧会場、テンポラリースペースの塾長は、中森さん。
僕にとって塾長の評価はとっても気になるところ。20年以上にわたってテンポラリースペースを作品の発表場所と決めてきたし、こんなに長く観てもらっている人はいないんじゃないか。


初日、塾長が出勤してきて初めてその展示を観る。
しばらくは無言だった。



やっと展覧会の最終日、なんとなく二人になったときに、
けんちゃん、ありがとう。と、一言。

うん、頑張ってよかったな、
全てが報われる。


◯石狩川凹み遊行、始動。

塾長は1989年に「界川遊行」というアートイベントを実施したのだけど、今は見えない川の流れを蘇らせる、というその手法に僕は大きな感銘、影響を受けた。自身で、今は暗渠となっている箇所も多いオランダのロッテ川や札幌の琴似川の流れを凹みを切り口に浮かび上がらせる、ということをやってもいる。

そんな中、今年の東川町滞在頃から、石狩川を流してみたい、という抽象的で漠然とした像が頭に浮かんでいた。石狩川河口の凹みはもうあるし、
上流にあたる東川の凹みある。あとはその間をつないでいく、あの激しく蛇行していた太古の石狩川の生命力を感じてみたい。
今でも点在している三日月湖で凹みを探し、最終的にはそれらを連らねていけばいいのか。
少しずつ考えがまとまっていく。


ある日、
この僕の仕事に石狩川凹み遊行って名前を借りてもいいですか?
と酔った勢いでしか言えないことを聞いてしまった。

が、
「えっ、いいよ」「それはいいライフワークになるんじゃない」
ですって。
よっしゃ!しめた!もう撤回はできないですぜ、塾長。

何年かかるかわからない仕事。
でも、
ぼくの中で何かがドクンと脈打っていた。

これは勝手かもしれないが、
それは同時に、責任をもって「界川遊行」という伝説を後世に伝えていくことでもある。




年末、たくさんご褒美が当たる。
彩ちゃんの両親に、素敵な温泉宿に招待してもらう。満喫。


そして、彫刻へのご褒美も。
花人の村上さんに無理やりお願いして、彫刻を花器にしてもらった。
いやー、なんか絶対喜んでるよね。
ほんとに幸せな子です、こいつは。

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蔦井さんとアグリスケープへ。
衝撃のおいしさ。人生のベスト鶏肉でしょ、これは。
こんなにかっこよくやってる人たちがいるんだ。



2022年、元旦
そして慌ただしいまま、年が開ける。
今年の抱負。
より負荷のかかった作品をみせることが、人の心を動かす唯一の方法、
それを身にしみて感じた昨年の個展。
ということは今年の抱負は自動的に、
「もっと負荷をかけた作品制作」
になります!
負荷って言っても何のこっちゃ?
という方(僕も含む)、朗報です、整理してみましょう。

挑戦する、という言葉でも置き換えられるかもしれないけど、既存の技術などに、作品を高めるであろう一手間、一労力を足すこと。
どうせなら一手間と言わず二手間ならなおよし。
とってもめんどくさいし、意味あるかもわかんなーい。
だから、なかなかやりたくない。
でもその一手間、二手間に慣れてしまえば、それがスタンダードになり、そこにもう一手間、二手間を加えると、トータルで三手間、四手間の進歩になる。
(そんな計算でいいのか?)

うーん、あまりいい例ではなかったかな。
自分でも混乱してきたぞ。

何はともあれ、今年も一年、負荷をかけて、元気にやってくね。
(強引な締め方)



1月 恒例の帰国前騒動(恒例になんてしたくないのだけど)
17日出国でまさか、15日にドイツのコロナ規制が変わり、PCR検査が必要ということになる。
すぐに、検査場に連絡するが、全て受付は2日前までということで、
当日は成田空港で4万5千円という選択肢しかない。ひとりの値段です。

さすがに凹みそうになったけど、何とか頭を下げて、その半額で検査を受けられる会場を手配できた。奇跡だった。
2万2千円、安くはないけど、4万5千と比べると破壊力が違います。


ベルリン着。
2、3ヶ月は、ひたすら静かに過ごす。
地味だったけど、こういう時に脂の乗った作品ができるから、おもしろい。
下は脂ののった、いや、ちょっと脂ぎった作品、笑。
(ふざけましたがいい作品だと思っています!)

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彩子、ある日突然、働きすぎからのストライキ。
けん、たまらず、交渉の席につくも、即、妥協。
彩子、見事、有給休暇5日間ゲット。


いよいよ、ベルリン街彫刻始動。
何で住んでるのに、この街のやってなかったの!
まっ、じっくりやってくべ。
せっかくやるんなら楽しまないと損だし。

長くなってしまいました。
お付き合い頂いたお礼に一曲。
あやちゃんが歌う「手のひらを太陽に」
作詞 彩子(部分)

ぼくらはみんな 生きている
生きているから 歌うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから かなしいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮
ミミズだって、オケラだって、
ミミズクだって、


えー!いやいや、ミミズかぶりすぎ、
ミミズに引っ張られ過ぎでしょ。

正解は、
ミミズだって オケラだって
アメンボだって、
です。



# by hecomi-study | 2022-05-13 00:20
2021年 12月 15日

アートエッセイ「世界凹み旅」

アートエッセイ「世界凹み旅」の出版と個展のお知らせです。
渾身の出来となりました!

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# by hecomi-study | 2021-12-15 10:11
2021年 02月 28日

公式ウェブサイト

凹みスタディ号外版です。

2021年2月、僕たちの公式ウェブサイトが完成しました。




2020年春から、準備してきて、約1年間。
時間をみつけては、少しづつ進めてきた、僕たちにとっては一大プロジェクトです。

それは2000年から、20年やってきた「凹みスタディ」を振り返るいい機会でした。


⚪︎きっかけ

この20年、ただすぐ前を見て進むだけ(時にはなんとか立っているだけ)、荒れた水面に顔を出して呼吸することだけで必死だった。

美術の世界にある独特の厳しさも身にしみた。
職業美術家は、作品販売が基本の収入になるのだけど、
それで食べていくことがどんなに大変で、不安定なものなのか。
どれだけの犠牲と我慢を必要とするのか。
たくさんの大切なこと、大事なものを、諦めたり、置き去りにしてきた。


あと、きちんと通用する作品ができない限りは、
発信してもあまり意味がない、
まだ攻めに回るのは早いだろう、という意識があり、主体的な宣伝は必要な分に抑えてきた。


それでもここのところ、 やっとだけど、やってきたことを振り返る余裕が出てきた。力まずとも、凪いだ水面に浮かんでいる自分たちに気がついたり。

転じる機運も高まってきたのかな。


そんな中、前代未聞のロックダウンという事態が起こり、、、
でも、もうメソメソ、怖がってばかりいる僕たちではない。

立て、立つんだ、けん、彩子、ジョー!!

こんな時だからこそ、真価が問われる。
望むところ、
自分たちその真価とやら、きっちり問うてみましょう。

せっかく静かで集中できるまとまった時間が手に入ったのだから、
とびっきり有効に使ってやろうぜっ。

という青春映画のようなきっかけでした。

(自分たちの真価については、、、ノーコメントで)


⚪︎感想
ひとつひとつの作品自体では、まだ人の心を強く突き動かすことはできない、と思っています。本当に。
それでも、この年月、注ぎ込んできた情熱だけは、このウェブサイトからなんとか伝わってくれるのでは。


⚪︎見所
ズバリ、各ページのトップにあるスライドショー(移り変わる写真)です。
数多くの候補写真から、僕が吟味を重ねて選び、順番を練りに練ったものを、彩ちゃんがゴリゴリ(容赦無く)添削していくのを繰り返す手法です。
お気に入りの写真を、何度、泣く泣く没箱に入れたことか。。。

好きな写真、綺麗でおしゃれな写真、そういうものと、見る側に語ることのできる写真は別なんだ、ということも学び、
構成・監修・編集者としての彩ちゃんの才能が花開いた瞬間でもありました。


⚪︎ウェブサイト制作
札幌の美術作家、武田浩志さんに制作をお願いしました。
僕たちの終わりの見えない、しつこい要求に我慢強く付き合い、さらに彼の美学を惜しみなく注ぎ込んでくれました。
僕が凹みを始める前からずっと作品を見てくれて、いろんなアホを一緒にやり、時には諭してくれる、まさに理解者です。


さて、
そろそろ、
ウォームアップも飽きてきたし、
攻めに転じようかしら。

# by hecomi-study | 2021-02-28 23:11
2021年 02月 14日

バイバイ2020年

2021年、明けましておめでとうございます。
今年こそは皆様が、凹みませんように。
翻って僕には素晴らしい凹みが訪れますように。

(今さら新年の挨拶?って声が聞こえます。中国では旧暦で2月12日が春節です。めちゃくちゃ言い訳がましいですが)


さて、2020年は世界が震えた年でしたね。
未だに、なかなか整理がつかないことも多いですが、
その後半を振り返ってみます。



えっへん、6月。

色々なことが動き出している。

世界がいい方向に進みますように。

不謹慎かもしれないけど、街が動いていなかった頃の(3月、4月)静けさが、今となっては少しだけ懐かしい。

(その数ヶ月後、ドイツは結構大変なことになったのだけど、この時は知る由もなかったのであった)




そんな中、あやちゃんが突然、
「私、かぶ、始めたの。」
というから、びっくり。

へぇ
なぜこの時期に株なのか。
いい銘柄を見つけたのか。
なんかニタニタ、
企んだ顔をしている。

ちょっと
ベランダに呼ばれて行ってみると、
新しい植木鉢に、、、、

カブの苗が出ていた。

僕はあまり言葉が出なかったが、、、
あやちゃんはしっかり、ドヤ顔。
なぜ、、、。

女性って。


うっふん、7月、
宇部ビエンナーレ・夏の美術室という企画で、
僕へのインタビューを掲載して頂きました。
子供向けの言い回しになっていますが、あれ、
普段の僕の喋りと、さほど変わっていない、
という事実を突きつけられました。




ここの学芸員の皆様とは、なぜかとても心が通じ、
今でもオンライン飲み会とかで遊んでもらっています。



一転、8月。

1ヶ月くらい、梱包しないで、寝かせておいた(じっくり眺めていた)長崎の街彫刻。
あやちゃんからの助言もあり、週末を使って(平日はキールの街彫刻をやらなくては)、取り組んでみると、、、、

あらま、とってもな、イケ凹に生まれ変わった。

あれ、
なんとなく、
今日は何日だったっけ、
日付はというと、、、、

なんと8月9日だった。
凹みの神様が宿って教えてくれたのかもしれない。
こんな離れたところだけど、黙祷。
届け。



さて、場面は変わり、
と、ある、運気下がりまくりの数週間。

インターネットが突然、繋がらなくなる。
本当にバッツリ途絶えるのです。電話もぶっつり通じません。


さらに郵便事情、
ドイツ郵便さん、大事な展示用ワイヤーがなぜこうも届かない?
だって、配達員さん、近所の家や、お店に荷物を預けていくんだけど、肝心の不在票をポストに入れてくれないのです。
分かるわけないよね。ただ荷物が消えるだけなんです。
しかも、その日はずっと家にいたぞ。



ある日、昼なのに暗くなった。なんだあの異常な雲、、、と思っていたら黒煙だった。
向かいのマンションの屋上からゴウゴウ、これは結構な大火事だぞ。
後から聞いたけど、大規模に修復工事をするのはいいのだけど、土日にプロパンガスを何本も屋上に置き去りにしたのが原因らしい。


何週間か後、(ほんと修理にこれだけ時間がかかるのです)
電話がやっと通じて、
日本に電話をかけると今度は、
父の55年前の足の古傷が、今、再び悪さをし始めているとのこと。
もう数ヶ月日本に帰ることはできないのでどうしようもない。
ドイツから入る場合、
札幌まで行く国際線は皆無、羽田や関空などからの国内線、公共交通は使っちゃだめ、というルールになっているのだ。
どうすりゃいいってぇの。
(初夏に帰る予定だったけど、飛行機は全てキャンセルになった)


お風呂にお湯をためて気がついたのだけど、上下水道ともに、砂が混じってるじゃない。ザラザラ。


もう、信じられない。ここ、一応、先進国の首都の中心部だぜ。



国税局の監査。
ランダムに選ばれるらしいが、
見事、その対象に抜擢される。
ついてねー。

でも悪いことなんてなんもしてないし、全然大丈夫。
逆に外国人として、
誰よりもちゃんとやらないといけない。
そう言い聞かせてきた。

こういう時のために税理士事務所とともに二人三脚で歩いてきた。

どれだけ、ちゃんとやってきたか、やっと見せられる。
えへん。

なんて思っていたら、

ふむふむ、ニューヨークのポロック財団さんから頂いた奨学金、
ふむふむ、これは課税対象にはならないぞ、、、
ふむふむ、いや、実はなるのですって!!

えーーー、まじ?

これには税理士さんたちもびっくり、
状況が複雑らしく、
プロでもみんな知らなかったのだから、しょうがない。。
もちろん、払うべきものは払いますよ。わたくし。
さて、いくらの追加徴収だい?

⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎!
えー、
えー、払いたくない、わたくし、はらいたくないですぅ、そんなおかねぇ。

おのれぇ、法律め。

アビガン打ってやろうか。



あっはん、9月。

徐々に運気が上っている。

彩ちゃんのヴィザ、成功!
モンドリアン財団、成功!

9月4日、
全て(6箱)の箱を送り出す!



日程が延期になっていた、
オランダ、ライデン市のシーボルトハウスでの展示。
ミュージアムのスタッフが優秀だし、
1.5日間の予定が、0.5日で完了!
素敵なディナーにもありついて、
やっぱりオランダはいいなー。

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帰ってきて次の日にキールへ。

キール市立ギャラリー
入念に準備していたので、3日間の設置予定が、
1.5日間で完了!
そういう設置の要領については自分たちの成長を感じることができている。

さぁ、そうやって自分たちが生み出した時間、、
どこに行くかというと、、、
海だ!!
二人、イソイソとお弁当(パン)を買って、
路線バスでレッツゴー。
街の喧騒もコロナも置いていく。

バルト海岸を裸足で歩く。
波と風の音で、体の中が、シャワシャワ、洗われていくみたいだ。
張り切って、砂浜ランニングまで。 

ふぅ、これで今年の山は越えた。
ちょいと密でした。

会場のエントランスホールに展示した、キールの街の形彫刻
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あとは、
台北のアートフェア、
パッとつくったら、
パッといいものができて、
パッと送った。

そしたら、
パッとは売れず、
結局
いつまで待っても売れなかった。。。

パッとは、、、
忘れられない、、、。



おっほん、10月、ベルリン
あやちゃんと、来たるベルリンでの展示、どれ見せよっか?
みたいな話になり、
2008年から取り組んできた彫刻を久しぶりに倉庫から出してくる。
2012年までかけて、ハンブルグ、ロッテルダム、大阪、バルセロナ、シカゴのギャラリーで観せたのを最後に、(なぜか全てその国第2の都市、そして港町)ずっと倉庫に眠っていたやつ。

久しぶりに出してあげたら、
まぁ、彫刻がキラキラ大喜びしているのがわかる。。
わたくしぐらい、気がふれてくると、彫刻と会話ができるのです。
(会話という名の幻聴?)


よっしゃ、あんたには、最高の展示方法を、見つけてあげよう、
ということで
ああでもねぇ、こうでもねぇ、と
粘っていると、1、2週間後、

その粘りが最高の出来栄えとなってくれました。
僕の代表作品の一つだろうな。

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昨シーズンまで着ていた、高校生の頃に買ってもらったダウンジャケット。
日本製で、一向にへたらないので、もう30年近く着たことになる。
さすがにそろそろ、今風なのが欲しくなる。


吟味を重ねて、
新しく当たったのは、ゆ⚪︎黒のダウン。
いやー、このクオリティとデザイン。
そしてこのコストパフォーマンスは、素晴らしいです。
(別に安さを求めたわけではなく、デザインのみで選んだのだけど)

鏡を見て大満足です、シュッとして見える。
(ただ着る機会が全然ない、

要はね、お兄さん、

いい服を欲しがる前に、お前の体を仕上げろ、
速く走る高級車を欲しがる前に、お前が速くなれ。
高いランニングシューズを欲しがる前に、自分の足の裏にその機能を宿せ。
いい調味料を揃える前に、たくさん運動をしろ、
いい酒を飲む前に、たくさん運動をしろ、
それだけで味は1.5倍増しだから。

最近はそんなのをモットーに生きている。

縄跳び、ジョギング、サッカー、ヨガ、懸垂、プランク、
などなどを取り入れ、変な話、もうコロナ前よりも健康なんじゃないか。
タバコだって吸ってたことさえ、忘れてしまったし。(もう少しでやめて2年)

と、ここまで、気分良く書いたところで、

なんだか、煙たいぞ、
俺、吸ってねえぞ、

キッチンで煮詰めていた、
今夜の献立、豚の角煮の鍋底を真っ黒に激焦がししてしまった。
ガリガリとナイフで焦げを削っていく。
ふう。
前の日から、丁寧につくっていたのでがっくり。
煮卵7個も全滅か。。。

全滅の刃。

なんちゃって。

そんな、鬼しょんぼりしているけんに、
あやが一言、

「大丈夫だよ、たぶん香ばしくて、逆に美味しいよ」

「炙りチャーシューみたいになるんじゃない」
ですって。

優しい、、、

女性って。



そうそう、あのキールの街彫刻、

あやちゃんが粘り強く素晴らしいプレゼン用書類をつくってくれて、
ハンブルグのギャラリスト、みきさんが的確なオーガナイズをしてくれて、

キールの市立美術館に、ずっと、とどまることになりました。
こーんな風にぶら下がっています。




かっくん、12月、
ベルリンで予定されていた展示が、延期の末、中止。
搬入もすでに終わって、最高の彫刻、(例のやつ)が設置されていたのだけど。

そして、ドイツも例にもれずロックダウン。
みんなクリスマスを楽しみに生きているような国民性なので、本当にかわいそう。
可能なら僕の楽しみを分けてあげてもいいよ。


さらに変異種たるものも出てくる始末。
あちゃー。


それでも、美術家という職業に限って言えばですが、
ここまでくれば、あとはこの騒動に振り回されず、自分のやるべきことを淡々とやってきた人間が、勝ち残っていくのだろう。

ま、僕の人生、そもそも変異種みたいなものなんだから、
何か、文句を言えるほどのものでもないし、
実際に何の文句もない。

置かれた状況に、ヒーヒー嘆いて、その責任探しをする前に、

自分で選んだ職業で、自分で選んだ移住地で、自分で選んだ環境でしょう?

ならばそこに生じたリスクも100%自分の責任、全て背負うんです、それが大人というものですよね。

はーい、その通りでございます。

正論、言うのは簡単でーす。

でも、異種でも人間は人間、
ついつい、ごねたくもなるのです。

さぁ、今夜も、ゴネゴネ、一杯行こうか。








# by hecomi-study | 2021-02-14 22:28
2020年 05月 26日

オーロラとやさしさ(無いものねだり)てへぺろバージョン

さて、春もすっかり馴染み、
これからは少しずつ夏に向かっていきますね。


3月の香港、東京のアートフェアが中止になる。
新しい試みの発表機会でもあったし、
こんなこともあるんだ、とは思った。
でも、
まぁ、真っ盛りだし、しょうがない。

もっともっと、作品制作に時間をかけたい時だったので、
ちょうどよかったのかもしれない。
そう言い聞かせておこう。

アートフェア用の彫刻、
何が新しい試みか、わかるでしょうか?
オーロラとやさしさ(無いものねだり)てへぺろバージョン_a0144713_00274783.jpg
目の玉をつけてみましたー。




マンハイム個展。
本当にこんな中やるのかヨゥ、と思ってたけど、
3月6日無事にオープニングを迎える。
すでにコロナがドイツに上陸し、いよいよ猛威を振るい始める数日前。
それでも、結構たくさんのお客さんがツラ〜としてやって来てくれた。
人によっては、すごく近づいて(30センチくらい)話し込んでくるので、こっちが怖くなる。
でもこんな状況を一緒に乗り越えることで、ギャラリストのセバスチャンやヤンとも随分と心が通い始めた気がする。


移動の電車とかも、なんとなくざわついてて気を使うし、すっごく疲れた小旅行ではありました。

写真、マンハイムの凹みから作った彫刻
オーロラとやさしさ(無いものねだり)てへぺろバージョン_a0144713_00290993.jpg


フィンランド。
さぁ、ベルリンに戻った翌日、
今度はフィンランドへ出発!
こんな時期に大丈夫だろうかと思ってたけど、
こっちもみんなツラ〜としてて意外。

今回は、オーロラを見る、それだけの旅。

フィンランドの北の果て、なーんにもない、ラップランドに5日間も滞在する。(長いし絶対見れるはず)
あと、ヨーロッパでの運転とレンタカー、両方デビュー。(とてもうまく言った)

氷点下の夜に、凍りついた湖の上で星空を眺めながらフィンランドウォッカを飲んだり、
フィンランド風サウナの後、裸で凍てつく外に出たり、
天井ガラス張りのコテージでオーロラを待ったり、
歩くスキー、人生初体験で転びまくったり、
美味しい郷土料理を、もりもり頬張ったり、
雪にズボズボ埋まりながら行軍したり、


こんなに楽しく、おもしろ可笑しく、旅行したことが生まれてこのかたあっただろうか。旅をしてまたここに来たいと思えるのも久しぶりだ。

なーんにもない、と思っていたこの地、ラップランド。
でも実はぜーんぶ、あったのかもしれない。

そして美しい星空や、月明かりに恵まれて、、、

これはある意味、奇跡的に、
オーロラ、
見れませんでした!
(明るいと見えないそうです)

てへぺろ。

(使い方を間違えている気がする)
オーロラとやさしさ(無いものねだり)てへぺろバージョン_a0144713_00305632.jpg




ベルリン。
さて、コロナ渦。
ふーぅ、それにしても困ったものだ。
なんだかねぇ。

誰を責めたって仕方ないんです、こういう時は。(いろいろなメディアさん)
みんな、一生懸命、それぞれの人生で初めてのことに必死で、手探りで対処してるんだから、
もう責任探しや、間違い探しとか、煽ったりとか、ギャーギャーとか、しなくていいんじゃないかな。

そんなくらいなら、初心に帰ってもう少しだけ自分を見つめ直すとか、
自分探しをしてみる方がずっと意味があると思う。

もういい加減大人なんだから、パニックは各自、自身の中で解決できるようになりたい。

といっている僕こそ、スーパーにトイレットペーパーが2週間ぶりに入って来たときに、
店内をダッシュして店員さんに怒られている当本人です。

てへぺろ。

(こんな風に使いたい)



そんな中、細菌の僕は、、、、、、

いや間違えた、

最近の僕たちは、
山にこもった隠者のように、広島と長崎の街彫刻に取り組んでいます。

夏にオランダのライデン市で始まる、原爆をテーマにした展覧会に出品依頼されたものです。

ただ、その悲惨な悲しい歴史を表現したい、思い起こさせたい、という気持ちはありません。
両市が奇跡的に成し遂げた、見事な復興、その過程には想像以上の苦しみと、
でも、そこにはまた、希望に向かって進んでいくという活力もあったはず。
現代の広島と長崎の街の形をモチーフに、
観る人にそういった活力や何らかの明るい熱を感じてもらえる彫刻にしたい。

両市の経験、ゼロからの復興の苦労、努力を思えば、
こんな暗いご時世でも、何だか勇気付けられる。

いや、正直、何度も勇気付けられています。

っていうか、それに比べれば、
まだまだびくともしません、できません。

人間ってやっぱり本当は強いよな、
なんだかんだ言っても人間っていいもんだよな、
と思えている自分に気がついた。

このパニックが落ち着く頃、
世界は今より素敵で、やさしくなっていると思う。

少なくとも僕はやさしくなれそうだ。





バイバイ、四十肩。(あやちゃんの献身のおかげです)
慌ただしくて、忘れていたが、いつの間にやら四十肩が治ってきた。
もーう絶対になりたくないし、他の怪我も嫌なので、ぜーんぶひっくるめて徹底的に鍛えてやる。
覚悟しとけよ、僕の体!
と、、、
張り切ってましたが、
肩の時期も考えず、無理して懸垂してまた痛くなる。
というオチです。

あとベアフットランニング(裸足か、極めて裸足に近いクッションなしの靴で走ることで足が本来持っている野生の機能を取り戻す)を始めてみて楽しくて、わーいわーいとスピードを上げ、、、、
あれ、あれ?

やっぱり足を痛めました。
(最初はスピードを上げるなと、あれだけ店員さんに忠告されたにもかかわらず)(牛乳をいっぱい飲んだら数日で治ったけども)(なぜか彩ちゃんだけは、この裸足のような靴にとても早く慣れてしまった)(野生的?)

あと今年から初めて花粉症になり、
痒くて目をいじってるうちにものもらいができた。
ちぇっ、よくもまぁ、次から次へと支障が出てくるもんだ。
やい、やい、左の目ん玉、アビガンでも打ってやろうかっ。


へへへ、とは言っても、
春で
気持ちよくて、
ボワーンとしてきて、
お花も綺麗で
何だかどうでもよくなる。
いやー人間って弱いねぇ。
いやーお酒はうまいねぇ。


やべ、ここらでひとつくらい意志の強そうなところを見せておかねば。
(彩ちゃんの両親に読まれたらかっこ悪いし)

なんかあったけな。

そう、タバコをやめて一年が過ぎました!
去年の4月1日から始めたのだけど、(どうみてもエイプリルフール)
嘘にならなくてよかった。

何がいいって、まあ楽チン。タバコのことを考えずに済むっていうのが一番大きいかな。

こんなストレスの溜まる時世に、一本も吸わずケロッと乗り越えられたのだから、もうこれからも大丈夫だろう。


本当に嬉しいな。こんなに嬉しいとは思わなかった。

いい夫でしょう?

# by hecomi-study | 2020-05-26 00:43