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2015年 10月 17日

イカとハリネズミ


ビューティフルセプテンバー。

いやー難しい月でした。
なぜかって?

普段使っていない頭をいっぱい使ったからです!

本当にたくさん考えることができた。
二日酔いにも良く耐え(同情の余地無し)、ちょっとずつでも進められたんじゃない?

今回は個展として発表した作品群を
何度も冷静に客観的に見ることができた機会になった。

いつもだったら搬入してオープニングに出てすぐベルリンに帰る、、というのがほとんどだったので、なにしろ自分の作品が展示されているのを長い期間みることはあまりなかった。

今回札幌でいやでも自分の作品を3ヶ月にわたってみせられると、
いやーいろいろ出てくる。

まだまだちゃらいし、
なんといっても自分の手癖(悪い意味)によって作品がガチガチのバランスになっている。くせと造形を混同しちゃいけないよ、けん君。

なぜなら、
一たたみずつ同じ集中力を注ぎ込んでいるから。だと思う。
自分の哲学を押し付けすぎているから。だと思う。
もちろんそうやっていくと自分としてはほぼ納得いく形になるけど、
それと見る人の心が動く形というのは少し違うのかもしれない。
見る人に、入りこめる余地みたいな、余裕みたいな、余白みたいなものを感じさせられないと。

人間の脳になんかは限界があるんだから、、、と凹みの力を借りてきたけど、肝心の造形する方ではすべてをコントロールしながらやってしまっていた。のかな。
徹底的に畳みこむことで、みえてくるものはもちろんあったけど、
今、これからはもう一段のぼらないと話しにならない。

コントロールしないことをコントロールしていく。

まあ、言うのは簡単だけど、いろいろやってみましょう。
気付いてしまえばこっちのもんです。


爆走するハリネズミくん。
これは夏に購入した札幌の作家、瀬川さんの作品にインスパイアされ、
この形を凹みでつくってみよう、と思い立ったやつです。(もちろん本人には許可を頂きました)
この挑戦に選ばれた栄えある凹みは、、、
ちゃかちゃん!
オランダの田舎に滞在している時にみつけた白蟻がつくった凹み。

凹みの形を、ある目標とする形に、限りなく近づけていくというやり方。
折り畳みながら最終形を見出していく従来のやり方とは進め方が全然違う。
そして、今までとは違った深みのある、ぼくの手癖に染まっていない、
何か可能性を秘めたものが出来上がってきました。

でももう少し進めて、

さらにブエノスアイレスでみつけた碇型の凹みと組み合わせてみた。
ら、
してやったり、
イカ大王のおでまし。(本当にイカみたいなのです、写真は撮っていないのでみせられませんが)
いろいろな角度に回転させてみると、、、
ハリネズミが爆走しているようにみえた。

こういった凹みコンビネーションというのも初めてやってみた。
でもでもいくらなんでも、まだまだ試作の段階なのでもう一度切り離しておいた。

9月下旬、本郷新記念札幌彫刻美術館での作品搬出。
あやちゃんもいないし、どうなることか、、
と早め早めに準備をしていたので、とってもスムースに進む。
僕一人でもやればできるんだ、という自信を持ちました、笑。

2日目は日本通運の方々も手伝ってくれたのでものすごいスピードで終わる。
す、すげぇ。

いろんな方の応援で、もらわれていった凹みたちがいたし、
とても意義のある3ヶ月でした。簡単に比べることはできないけど、得た課題の量からすると今までのベストでしょう。
いまさらだけど、自分がふだん気がつかないだけで、いろんな人に応援、期待されている、ということを知る。
ほんと、いまさらだけど。
(ちなみにベルリンにいるときは自分は一人でやっていると思い込んでしまう時もありました、甘えもいいとこです)


10月、宇部ビエンナーレの授賞式と開会式。
会場のときわ公園は本当に盛りだくさんなところで一日じゃ足りないくらいいいところです。動物園、植物園をみたり、湖を一周してみたり、北海道やベルリンとはまた違う動植物を見れたので大興奮でした。(今のところ日本の公園ランク1位です)(ちなみにぼくというもの、北海道以外の公園はほとんど行ったことがありませんのでかなり眉唾ランキングですが)


さていよいよ、、
肝心の賞の方は、、、
ちゃかちゃん!
見事逃がしました。
とてもくやしくてがっくり。がっくり。

でも一応男の子なので泣きませんでした。(ちょい嘘)
最善は尽くしてきたと思っていたけど、
ただただ作品にもう少し力が足りなかったかな。
まだまだです。
だれもが自分のつくったものには熱い想いを持っていますが、
その熱さは時に自作を客観的に見れなくもします。(見れていなかった)
熱く、でも冷静に客観的な視点を持つ、ということを知れたのが一番の収穫です。

そしてこういう機会があって、自分の作品のもろさ、今後の課題も見えてきそうなので、そこも糧になるかな。
というかそこをちゃんと糧にできない人間はいい美術家にはなれないだろうと思います。

素敵な人達にも出会えたし、そういう人達に将来いいものを見せられれば、それで大丈夫なのかもしれません。(でも時間はかかるので覚悟しておいてください)

まぁとは言っても、それでも、まだ到らないところもあるけども、
誰が何と言おうと、今回出品した彫刻が大好きです。


下が出品彫刻。
美しい秋空に(かなり)救われた感がある写真ですがお気に入りの一枚です。
a0144713_222976.jpg


凹みスタディ 公式ホームページ
kenichirotaniguchi.com
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by hecomi-study | 2015-10-17 02:24 | Comments(0)