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2015年 07月 19日

凹み舟

夏です。
7月中旬現在、1週間だけベルリンにいます。
街自体、日本にはない時間の流れ方をしています。
(よくいえば、リラックス、悪く言えば、タラタラ)
でもこれはこれで居心地のいいものでした。
タラタラと仕事を片付けています。


7月11日には無事に個展も始まり、さぁ、あとはやりたいことをやるぞ、
ということもなく、
次は待ちに待った宇部ビエンナーレ用の彫刻です。
しばらくは制作してくれている会社へ通う日々です。
もうすでにかなりカタチになってきていて、ただただ、かっこいいの一言。
黄色になったことを想像するとワクワクします。
そして制作会社、図面設計会社の社長二人の男気と応援には本当に感じいりました。
後は進むだけ。



個展搬入
メインの彫刻用に足場を組んでもらい、天井にはアンカーを打つ。
が、ぼくの勘違いのせいでみんなを振り回してしまいました。
これだけ謝ったのも久しぶり。

いよいよメインになる彫刻を宙に吊る。
えっちらおっちら5、6人がかりで少しずつ持ち上げていく。
その舟のような形がようやく浮いたときは、進水式のような気持ちがして感動でした。
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その他の作品は搬入に特別長い時間をとってもらったのでゆっくり、じっくりと搬入できる。
オープニングの何日か前には余裕を持って展示が終わったのもいい兆候です。
締切にはしっかり余裕を持たせる、というプロ意識をもつことを常々心がけてきましたが、こういう時(自分にとって最重要な展示)にもぶれなかったのは必ず自信になります。


オープニング
こういう時はせっかく来てくれた人ともなかなかゆっくり話せない。
だから、お披露目はしてみたもののあまりその反響はわからない。
自分の中では現在の力は出し切れた。
でも同時に、ただ素直に、まだまだ大きい世界では通用しないな、とも思えています。
もっといいものができるはず、もっといいものをつくりたい、その気持ちだけが美術家にとって唯一の救いになるんだろうな。さもなければそこには、恐ろしーいものが待っているのです。


メインの彫刻、
人によっては龍にみえるらしい。
というか周りの女性は大半がそうだった。
日本昔話の見すぎじゃないだろうか(笑)。
ちなみにぼくにとっては舟のような形かな、
舟と言っても戦艦ぽいやつです。
でも、どちらにしろ水に関係しているところが不思議です。


父の家の1階を埋めていた彫刻群。
人間たちは隅っこの方で生活していました。
父も黄色で目がチカチカしてたんじゃないか。
それらが全部、美術館に運ばれた日、父はまず掃除機をかけたそうです。
うーん、凹みとは言っても、そんな汚いものではないのだけど。


5mの彫刻を5mの部屋でつくること。
字面でみるとまぁ、そんなもんか、という感じだけど実際やってみるといろいろ計画を練らなくてはいけない。人が入れるすき間もせまいし腰が危なかった。丁寧に筋肉をケアしました。


次への企み その1
個展の準備中に湧いた企み。
ある日、ぼくの彫刻をあやちゃんがいじっていた。
ぼくの中でこの彫刻はこう置くというのが決まっていたのだけど、
そんなことも知らない彼女は自分なりに、いいように、上下勝手に立たせていた。
へーこんな立たせ方もいいねー、なんて思っていたが、あれ、なんだか気になる。気になるので居間の一番目立つところにしばらく置いといてみた。
何週間か置いといたのだけど(もちろん邪魔です)、見るたびに発見があったり、バランスが絶妙だったり、愛嬌があったり、全然飽きてこない。むしろどんどん気に入っていく。
あちゃー、これって実は、もしや、、
めちゃくちゃいい形ができちゃった、ということが発覚する。
大きさ、素材抜きに考えれば今までのベストだと思う。
いやー、こういう感じでできちゃうこともあるんだ。

しかも、ある意味固執したぼくの集中力と、あやちゃんの自由な発想を両方備えたところも気に入ったぜよ。(一人で両役こなすのは至難の業なのです)

というわけでこれに最適な公募展へ最強の刺客として送り込みます。


次への企み その2
春、日本に来る前から準備していた企み。
ぼくが出たい出たい、と思っている彫刻の展覧会に、
頼まれてもいないのにプレゼンをするのです。
待ってたって、いつまでたっても声はかからないしね。(もういやっていうほど経験済みです)

そんな中、ハンブルグのみきさんが企画側(ちなみにドイツで知らない人はいないえらーい人)に僕の作品を紹介する唯一のチャンスをとりつけてくれる。急だったけど、一番大事な彫刻の模型とその写真はもう撮ってあったので資料をつくるのも早かった。
さぁ、どうなるかな、吉とでるか、大吉とでるか。


6月。
すっかり籠る日々。

これだけ時間をかければ、どんなことでも少しずつは進んでいく。
あやちゃんも札幌滞在での大仕事、100数パーツ(1m前後)を切り抜く、という苦行を無事に終わらせてくれた。

あとはバトンを受け取ってしっかり終わらせていくこと。
7月の個展のメインになる彫刻は札幌、茨戸でみつけた凹み。
この形をどうおもしろくできるか、というところで去年のうちから熊谷さんからアイデアをもらっていた。
その名も、ジャバラ作戦!
マジックハンドみたいな構造で、シャカシャカシャカと横に長い凹みが縮まっていく感じです。

いよいよ仮組み。
こうで、ああで、これで、、、、
うわ、全然だめだ、とてもじゃないけど12mのものを家では畳めない。
というか全体をみれないので考えられない。

ということで急遽3分の一、4mの模型用オブジェクトを彩ちゃんに切り出してもらいました。
これが見事的中、
それからというもの、
けんはじっくり自分の形を探せましたとさ。









凹みスタディ 公式ホームページ
kenichirotaniguchi.com
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by hecomi-study | 2015-07-19 19:00 | Comments(0)