季刊/凹みスタディ
2023-05-15T23:27:49+09:00
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凹み彫刻制作日誌 - kenichirotaniguchi.com
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イノシシ罠にかかる
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2023-05-15T00:58:00+09:00
2023-05-15T23:27:49+09:00
2023-05-15T00:58:45+09:00
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久しぶりの更新になってしまいました、
書きたいことはたくさんあるのだけど、
ついつい流されて、時間が過ぎていきます。
では、いってみましょう、
キラキラ凹みライフ、ダラダラ箇条書き!
2022年5月
ロッテルダムアートフェア。
久しぶりの出張、とても楽しみにしていた。
オランダはいつだってなんだかテンションが上がる。
数日前に急遽、大きい彫刻を持って行くことになる。
もうちょっと前もって言ってくれたらな、、
これは大事な時にとっておこうと思ってた彫刻なんだけどな。
ま、出し惜しみするような職業じゃないしいっか。
ありがたいことなんです。
ついでに、以前、あるオフィスに買ってもらった作品の取り付けも済ます。うまくいきましたよ。
一緒にいるのはギャラリスト、ミリアムの旦那さんフイドです。
せっかくの休日なのにかり出された、みたくなってしまった。
彼のちょっとしたやさしさにいつもつい甘えてしまいます。。
6月、
二人へ自転車を購入、ご褒美というより投資です。
自転車デビュー。
もっといろんな種類の運動を取り入れたい。。。
でも行動範囲も拡げたい、、、
そんな全てのニーズが合致、
これはほんとに意義ある投資だったな。
今年はとにかく乗りまくった。
思い切りペダルをこいで、いい景色をみて、
今まで知らなかったベルリンを満喫。
こういう投資はいくらやってもいいな。
ベルリン郊外、「太ったマリアちゃん」という愛称の大木を見にいく。
もう恒例
めっちゃ気合いを入れ、模型までばっちり凝ってつくった
ベルリンの公共彫刻のコンペ2次審査、落ちたという知らせ。
二人とも、30分だけ悲しむ。
こんな時こそいつもよりしっかりと制作する。
僕らにとっては何よりも大切なこと。
そしてこれがこれだけが、心の支えにもなるのだ。
とはいっても、毎度コンペの書類づくりには、翻訳の方に入ってもらったり、いろいろな人の好意が関わっているのだけど、
落ちた時はそれが心苦しい。いつだっていい知らせを届けたいのだけど。
7月末
韓国へ。
一番暑い時期。
今回はテジョンビエンナーレへの参加です。
もうほんと王様のような待遇をしてもらいました。
ただでさえ、コロナで航空運賃が普段の3倍、
それでもけんとあや、二人でないと搬入は絶対にできっこない、とだだをこね、着いてみると、、まあ素敵なホテルをとってもらい、(最高に贅沢な朝食を毎朝食べれる)、
極め付けは、滞在中は美術館が指定する6軒のレストラン、何回でも顔パスで食事できる、という特権まで与えられた。いやー、もちろん全部制覇しましたし、おいしかった。
肝心の展示はというと、ばっちり、あやちゃんが最後まで粘って、最高のインスタレーション。
さて、なぜ、どういう経緯で、全く縁もゆかりもない僕らの作品の展示に至ったのか?
数ヶ月前、いきなりテジョン美術館から連絡があって参加できないかとのこと、もちろん大喜びで参加することになったのだが、
落ち着いたころに聞いてみたところ、2016年に台湾のアーティストインレジデンスで、お隣さんだったユンとスーが僕らの作品を、キュレーターさんに紹介してくれたらしい。いやー、これは嬉しいねぇ、レジデンスがこういう風に次につながっていくんだね、見本のような形です。
もちろん、二人にも会って、つきっきりでソウルを案内してもらい、ご馳走三昧。お泊まりまでさせてもらった。
彼らは人気作家で、大豪邸を建ててしまったのだ。
次は北海道で会おうねと固く約束した。
韓国、とてつもなくおいしいし、人は温かいし、
日本と韓国が組めば無敵なのにな。。。
人生初めての、韓国滞在でした。
最後は、あやちゃん顔が丸くなってましたっ。
べるりん。
家のリノベーション。
一年延びる。最初は3ヶ月と言ってたのに、それが一年、もう一年。
あほかいな。
旧交。
セバスティアンを通じてポールと20年以上ぶりに会う。
まだ、外国ということを知らなかった頃、札幌のアーティストインレジデンスプログラム、S-Airで知り合った美術家が、
20年以上の歳月を経てまた出会う。3人とも全然変わってねーじゃん!
この友情は来年、ひとつのグループ展となり、ベルリン、ロンドン、と続いていく。
9月、ベルリンでアートフェア。
Mikiko Sato Galleryからの出品です。
地元での展示、いやー、輸送・搬入が楽だな、
知人、友人も来てくれるし、楽しかったー。
今までなぜかベルリンでの露出は少ないので、これからは増やしていきたい。
ちなみに写真に写ってるのは僕だと思ってたら、これあやちゃんです。似てきた。
キノコ狩り。
これも楽しかったー。ドイツで初。
やっぱり採取、収穫というのは本当にワクワクする、
そして帰宅後の
ドライマッシュルームづくり。
これもけっこう性に合っているよう、意外。
(乾燥中はキノコの匂いの充満する中での生活、制作となった。彩子談)
2022年11月、帰札。
年々、日本に帰ることが嬉しくなる。
けんもあやもそろそろ、 いつまであっちにいるのやらと思っています。
さあ、石狩川凹み遊行、調査本格始動。
2021年の12月にテンポラリースペースで始まった、この計画。
前にも書きましたけど、テンポラリースペースの中森塾長が、1989年に実施した、界川遊行へのオマージュ、でもあると思います。
何年かかるかわからないけど、以下、企画の概要です。
-今は見えない石狩川を辿る-
みなさんもご存知の石狩川。
今は静かに北海道の中央を流れている河ですが、かつては蛇行を繰り返す暴れ川として何度も洪水を起こしていました。それを改善するために、29カ所の捷水路工事(蛇行する河のショートカット)が実施され、流程が約100km短くなったと言われているんです。現在の石狩川沿いにたくさんみられる三日月湖はその名残であり、ということは、かつての石狩川の本流だったんですね。。その今は分断され、かろうじて残っている三日月湖や河跡地形も、一本の線として繋ぐことができれば、石狩川の原始のながれが見えてくるんじゃないかと、考えるととてもワクワクしてきました。
どうやるのかと、いろいろな切り口はあると思いますが、
もちろんそこはわたしの長年のモチーフである凹みでやってみたいと思うのです。
まず石狩川の三日月湖や河跡で凹みを採取していきます。その採取箇所という一つの点が、調査を続けることでだんだんと集積して線になり、やがてかつての川の流れがみえてくるという仕掛けです。
今回はあくまでもその第一弾であって、このアイデア・プロジェクトは今後ゆっくりと数年かけて全流域を網羅できるよう育てていこうと思っています。
って感じです。
ふーぅ、一気に喋った、ここで深呼吸。
今回は去年の11月中旬から調査を始めたのですがみなさんも想像できるとおり、雪との戦いでした。
上流部はもう雪が降っていたので、そこはあきらめて、今回は石狩川最河口から。
地面が雪に覆われてしまうのは、凹み調査にとっては命取りですので、とにかく積もる前までが勝負。
こういう感じで凹みの形をトレースしています。風景がとてもきれいなのが印象的。
様々な表情をもった凹みを集めることができました。
今回の調査では石狩川最河口からあいの里付近まで、
27個の凹みの形を集めることができました。
集めた凹みの形を、硬く圧縮されたPVCの板で正確に切り出して再現していきますが、いよいよ、全ての凹みにこのオブジェクトをはめ込む準備ができた、11月30日に残念ながら雪。すぐ解けるだろうなんて思ってたらどんどん積もっていく。これにはびっくり、そしてピンチ。
今回は札幌のPROJECTAさんにも、サポートしてもらってるし、中途半端なことはできないぞ。
場所が確実に特定できる凹みをなんとか二つだけひねり出し、ピンポイントでその部分の雪かきをして、凹みフィッティングをしてきました。
魔法瓶数本に熱湯を入れて持っていったのだけど、それが大正解!!
雪中の凹みフィッティングはさすがに初めてだったけど、風景はとってもきれいだし、見るぶんにはいけてるね。
実際にやるぶんには、ちとハード。
こちらは石狩市新港南1丁目でみつけた凹みです
こちらは石狩川放水路水門の凹みです。
全部はできなかったけど、これで胸を張って報告できる。
いい仕事をしたあとは、のども渇くわけだ。
そして、はい、ご褒美、あやちゃん実家にて。
2023年も明けまして、
いろいろと展覧会が続いていく。
ドイツ、オランダ、スペインで一緒に仕事をしてるギャラリーが、ここに来て、ますます元気、いろいろな企画、アイデア、フェアに誘ってくれている。
本当にありがたいので、早くどーんと恩返しをしたい。
どうしたらいいんだろう、、
そんなの自分の頭で考えなさい。
今年の夏は札幌、そして9月には東川町で展覧会がある。
準備はけっこう万端、でもそれをさらに超えていかないとダメなんだろな。
3月、親友の訃報。
遠くだけど、僕がやるべきことはわかっている。
そう、こんな時こそ、ただ作品をつくることなんだ。
それだけは止めちゃいけない。
大丈夫だよ、満身創意。
4人の最終候補に残っていた、
青少年の家のための公共彫刻コンペ。
見事落ちる。
まだまだだな。
全てをつぎ込んだつもりだったので、これは効いたぜ。
今回は、2日間だけ落ち込んで良し。
恒例にはしたくない。
セバスチャン、ポール達とのグループ展。めっちゃやりやすかった、オーガナイズうますぎ。
彼らとは長いつきあいになるだろう。
4月、ベルリンで紙媒体専門のアートフェアにハンブルグのみきさんのギャラリーから出品する。
2006年頃からやっていた紙を凹ませるシリーズで、もう10年以上、制作も発表もしていなかった。
ベルリンで一番いい、という評判の額屋さんにお願いし、ベストの額装をしてもらったし、展示もほぼ完璧でしょう。
オープニング、一通り、お客さんと話したら喉が乾いてきた。
あやちゃんを誘ってバーブースでビールを買う列に並んでいたら、みきさんが強ばった顔でやってきて、僕の作品が賞の最終候補に残っているから授賞式に出席してほしい、と主催者が伝えてきたとのこと。
「はぁ?賞ってなんだべ?聞いてないし。
そんなことよりもこんなに長い時間、列に並んでるし、混んでるから並び直すのはもったいない。まずはビール2本買えたら行くよ。」と言ったらあやちゃんにちょっと呆れられる。並ぶのを代わってもらい、賞のアナウンスを聞きに行くことにした。正直、誰の、何のための賞とか、何の情報もないまま立たされていた。
こういうの期待してて絶対だめなパターン。
と思っていたら、けっこうすぐに名前を呼ばれ、
なんと!PAPER ART AWARD 2023 の銅賞に輝く。
House of Paperという紙媒体の美術館が主催で、受賞者の作品は当美術館が購入、展示し、栄えある美術館のコレクションとなる、というもの。
さらに嬉しかったのは、2003年にあやちゃんと僕がやってた美術家交流事業で、スペインから札幌に招待し、テンポラリースペースで展覧会を開催した、アンパロ・サルド(Amparo Sard)さんが銀賞だったこと。電話でだけど喜びあいました。
落ち着いてから、あやちゃんが買ってくれていた2本のビールで乾杯、でもなぜかあまり味がしなかった。
アートフェアの翌日、5月1日、気分爽快、天気極上、サイクリングへ。
帰り道、
その前からみつけていたイノシシ園を、この日どうしてもあやちゃんにみせたく(いつも岩みたく寝ていてかわいいのだ)、園の柵のまわりを立ち乗りしていた。うりぼうに興奮したり、中のイノシシを見つけるのに気を取られたのだろう、坂道で落ち葉に隠れた木の根に見事引っかかり、一回転して、気がついたら土の上に転がっていた。相当派手にいったのでまわりの人たちも凍りついてたらしい。(でも、とてもきれいな受け身だったのよ、とあやちゃん談)
最初は、はずかしいやら興奮していて痛みは全然感じなかったけど、家に着いてから、肩、ひじ、指、腰、ひざ、青タンだらけ、そして右足の親指にあってはいけない痛み。
あやちゃんには、たいしたことない、骨じゃないと言っておいたが、
うん、うん、これはしばらく運動できないだろうと僕でもわかった。
あーあ。(賞もとったし、目つけてたインラインスケートに新調しようと思ってたのにぃぃ。)
3月には電車内でインド人家族の何十キロあるかわからないスーツケースを荷物棚から下ろすのを手伝い、左手首を痛め、未だに痛いし、
運動できないストレスからなのか、最近、右歯茎も痛み始めた。右手親指もなぜかやばそうだ。
満身創痍ってやつだ、、、
すぐに動きたがる僕だが(小学生か)、それでもここは我慢。(20日近くもじっとしてるなんて、けっこう拷問ですけどね)
急がば回れ。
あと牛乳、牛乳。飲んで治す。
ただ5月20日までには直したい。
なんてったって、その日は、人生初のボルダリング挑戦。(延期すればいいのに)
楽しみにしてたし、絶対キャンセルなんかしたくない。(一度キャンセルしたら、そのままズルズルやらなそうだし)
誰にでもある、譲れない物事、直感、
くだらないかもしれない意地、
恥ずかしいこだわり、
そんなのと水で僕は形成されています。
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ミミズクの歌
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2022-05-13T00:20:00+09:00
2022-05-13T00:23:39+09:00
2022-05-13T00:20:39+09:00
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なにかと暗い話も多かったですが、やっぱり春は来てくれるんですね。
いやー、久しぶりのブログ更新です。
やろう、やろうとは思っていたのだけど、
ついつい流されるのです。
いいのいいの、このくらいじゃないとこんなに長く続けられなかったし。
さて、2021年からです。
2月、ホームページが完成したからか、どうなのか、
1週間のうちに、新しい展示の話が数個舞い込む。
とは言ってもこういうのって全部実現するわけじゃないし。
それでも、僕らの労力をつぎ込んだホームページが早速報われてうれしい。
そして1週間のうちに、4つの美術館での搬出。
何だか、売れっ子みたいでしょ。
だけど、全然そういうわけではなく、
やりっぱなしだったのも含め、ただ重なっただけなんです。
3月
ギリシャのコンペ。死にものぐるいで、最強のプロポーザルをつくれた、と思ったけど、
ダメでした。
ノーマル、ノーマル!
4月
中国は深圳のアートセンターで東京エクスプレスという展示に参加。
初めてアーティストトークをズームでやった。
へー、コロナが終わっても、これからはこういうのもありになるんだろうな。楽しいか、と聞かれたら、やっぱり実際にその場にいられる方がいいかな。
ある日、
気づいたら、一人で、うわっ、ビューティフル。。。
と言ってしまう、彫刻ができた。
恥ずかしいので、ここでは絶対見せないけど。
けんの小言。
それにしても、日本のメディアの方々。
責任、責任って。
なんで、そんなに責任を取らせたいのかい。
責任の取り方を知らない奴ほど、
責任を要求しているように見える、僕だけでしょうか。。
人間だもの、いろいろあるじゃない。
何かを成し遂げる過程でなんか、失敗のほうがずっと多いでしょう。
そのたくさんの失敗を乗り越えて、やっと自分が為すべき責任、責務を果たせるんでしょ?
だから、その過程のこまい失敗とかに、反射で反応しなくていいと思うんです。
この時代、いろいろ便利になったけど、この反射に伴う異常なスピード、そこはどうかなと思う。もっと、ゆっくり、じっくり見てあげよう。
少なくとも、ぼくのまわりの人は、どうしようもない時期の僕をそうやって見守ってくれて、ある時は我慢してくれて、僕を生かしてくれました。
決して蓋をしないでくれました。
そもそも責任ってなんじゃべ?はて?
ちなみにもし、
僕にとってただ一つ果たすべき責任があるとすれば、
少年の純朴、直感を忘れずに、自分の夢を追いかけ続ける、
ということくらいかな。
少年を保つのは簡単そうで実はとっても難しい。でも、
自分の夢に、船に乗っかってくれた人には、なんとかして新大陸を見せる、感動できる風景を見せる、少なくとも見せようと努力し続ける、
そういった少年の熱を内に保ち、冷まさないことが、僕たちの果たす責任なんだと思います。
ほんと、ごく特殊な職業の僕らにしか当てはまらない話だけど。
そして今日も僕は、こういうことを考えると、
よし、もっとしっかり制作しなきゃな、と思えるのです。
これまた、恐ろしく運気の落ちた2週間が訪れる。
●インターネット、電話、2週間通じなくなる。アパートまるごと。(これがベルリンです)けっこうきついですよ。
●荷物のピックアップに来ない。(作品の郵送が遅くなるとやばい)
●日本の財団宛の報告書、届かない。(これもやばい)
●リモート搬入、搬出中に、恐ろしい事実が発覚する。
某美術館のスタッフにお願いした彫刻の搬出、完璧な指示書をつけたのに、
なぜかそれを見ず、全てのパーツを分解してしまったバラバラ事件。
数パーツに別れるはずが、数十パーツに分けられていた。(けん、あや、びびった。どうやって元に戻すんだよ)
●4日連続、晴れてると思って走ったら雨にやられる。(これに関してはけんが無謀だった)
●父の足の具合が悪いようで、下手したら切断ですよ、と脅されたらしい。(これが一番びびった)
●ドイツの公共彫刻コンペ、3つ出して、全滅!
やっほー、
これくらい、ノーマル、ノーマル!
6月 ベルリンでのワークショップと駅での展示
僕たちの将来を、明るく開いてくれるような作品を目指しました。
そして、せっかくワークショップツアーに足を運んでくれるのだから、その方々への、尊敬と感謝。今までなかなかできなかったことをやろう。演出とか、準備とかも。
フレスコボールでのリフティングに挑戦。
このボール、テニスボールとスーパーボールの中間くらいの大きさで(直径5cmくらい)、跳ね具合もその中間くらい、めちゃ跳ねるし、とても足で扱える代物ではありません。
でも、毎日の運動の時間は限られているけど2種類はしたいという僕。ジョギングに行く時、同時にポケットに持っていける大きさのボールということで思いつきました。
とにかくよく飛ぶので、最初は走り回されたけど、なんとか楽しく遊んでもらってます。
ベルリンから1時間ほどの、ミッキーとステファニーの家へ。
大自然の中にポツンと立つ邸宅。
彼らの絶品チリコンカルネの作り方を伝授してもらう。
DDR時代のバイクを貸してもらい、ミッキーとツーリングへ。
静謐な川を手漕ぎボートで満喫。
なんだか、いつの間にか、
40点くらいの作品貯金ができていた!!
しかもちょっと前に二つの個展が始まったばかりなのに。
いいことなのか?
売れっ子なら、こんなことにはならないのです。
(つくった端から売れていくから)
でも、いいことだよ。
7月 一連の引越し騒動。
現在住んでいる家に、総リノベーションが入るため、数ヶ月他の家に移らなくてはいけなくなった。
7月13日引っ越し
9人の屈強な男たちが来てくれたが、丸一日かかる。
へとへと。
電気、インターネット、ガス、住所変更、
お風呂とキッチンで水漏れ。床がベッタベタに汚れてる。
水周りの垢。
なんか書くのめんどくさくなってきた。
オランダ、新規感染者がドンと増えて、
ロッテルダム行き、キャンセル。
ただ、慌ただしかったのでこのキャンセルは嬉しかった。(内緒だけど)
さて、3年ぶりの日本へ向けて。
PCR。
7月30日、日本へ。
東京で15日間の隔離。
(ホテル代や専用ハイヤー、もろもろ全部自腹です。ドイツでも出発前、日本到着時にもPCRして陰性なのに)
あほらし。
1日数回の居場所確認。
けん、それでも、いいジョギングコースとリフティング場所をみつけ、ごきげん、隅田ボーイになる。このためだけに、隅田川沿いの宿にしたのだ!!
この15日間の缶詰、でも彩ちゃんにとっては著書に集中できる貴重な時間になったのである。
お盆に札幌着。ちょうど猛暑が過ぎ去った時だったので、札幌のみなさんには悪いがとても住みやすい。
それでもこれからの温暖化に備えて、実家にエアコンを新調する。
真夏に帰郷するのが楽しみ!
9月 東川町に1週間滞在し、凹みを探す。
何から何まで、本当に楽しかった。
水も日本一なら、人間もまた一流、みんなかっこよかった。
いい凹みにも出会えたし、みなさんにやさしく遊んでもらったし、美しい渓流でニジマスも釣ったし、
美しい朝に近くを流れる忠別川のサイクリンロードでジョギング、さらに持ってきていたローラーブレードも最高に気持ちいい。最終日に、こけて膝を少し削ったけど。
好きな街ランキング、トップクラスに食い込んできました。
街の方々と交渉し、この滞在をコーディネートしてくださった、小林(俊)さんにただただ感謝。
9月、10月、11月 彩ちゃんは今年の後半、著書に全てを捧げる。(ほんとに文字通り)
せっかくの日本なのに、ほとんど籠りっぱなし。
彩ちゃんの知られざるパーソナリティが、顕著になる日々だった。
文章から写真、書面構成まで、
妥協の「だ」の、濁点ほどの妥協さえ、許さないのだった。
そこに出版社である「かりん舎」さんの、辛抱強い知性という最強のツールが加わったのだから。
1x1=3という現象を、初めてみた。
僕の方も12月の個展に向けて、ただただ制作。今回は想いが違う。
ドイツでただ呑んだくれているだけだ、と思わせないよう、
培ってきた技術、体力、気持ちをしっかりとつぎ込みたい。
少しはましになった作品を、ここ札幌でみせたい。
いや、見せないといけない。
そしてこの気持ちが、
僕の制作パートナーである東興株式会社さんに伝わって、今回も温かく協力してもらいました。
(しかし、この3人朝からずいぶんと陽気だけど大丈夫?)
(本郷新彫刻賞や宇部ビエンナーレの彫刻制作もこの3人+彩子でやってます)
12月
本の完成。
一体何度、お互いの健闘をたたえあって、
一体何度、乾杯しただろう。
お疲れ様でした!
個展が始まる。
こんなにずっと展覧会場に詰めているのは生まれて初めて。
たくさんの方たちの生の顔、反応を見られる。これはとても嬉しいことだけど、実はとても怖いことでもある。本当に怖いことである。自分の全てをさらけ出し、つぎ込み、そして、それを見ている人の反応を目の前で見るのだ…
それでも、こんなにたくさんの方が、知らないところで応援してくれてたんだ。と、心が熱くなる。
あと、藤倉翼さんから百万点の評価を頂く。
これは嬉しかった。
その後、この写真も撮ってもらいました。
さて、展覧会場、テンポラリースペースの塾長は、中森さん。
僕にとって塾長の評価はとっても気になるところ。20年以上にわたってテンポラリースペースを作品の発表場所と決めてきたし、こんなに長く観てもらっている人はいないんじゃないか。
初日、塾長が出勤してきて初めてその展示を観る。
しばらくは無言だった。
やっと展覧会の最終日、なんとなく二人になったときに、
けんちゃん、ありがとう。と、一言。
うん、頑張ってよかったな、
全てが報われる。
◯石狩川凹み遊行、始動。
塾長は1989年に「界川遊行」というアートイベントを実施したのだけど、今は見えない川の流れを蘇らせる、というその手法に僕は大きな感銘、影響を受けた。自身で、今は暗渠となっている箇所も多いオランダのロッテ川や札幌の琴似川の流れを凹みを切り口に浮かび上がらせる、ということをやってもいる。
そんな中、今年の東川町滞在頃から、石狩川を流してみたい、という抽象的で漠然とした像が頭に浮かんでいた。石狩川河口の凹みはもうあるし、
上流にあたる東川の凹みある。あとはその間をつないでいく、あの激しく蛇行していた太古の石狩川の生命力を感じてみたい。
今でも点在している三日月湖で凹みを探し、最終的にはそれらを連らねていけばいいのか。
少しずつ考えがまとまっていく。
ある日、
この僕の仕事に石狩川凹み遊行って名前を借りてもいいですか?
と酔った勢いでしか言えないことを聞いてしまった。
が、
「えっ、いいよ」「それはいいライフワークになるんじゃない」
ですって。
よっしゃ!しめた!もう撤回はできないですぜ、塾長。
何年かかるかわからない仕事。
でも、
ぼくの中で何かがドクンと脈打っていた。
これは勝手かもしれないが、
それは同時に、責任をもって「界川遊行」という伝説を後世に伝えていくことでもある。
年末、たくさんご褒美が当たる。
彩ちゃんの両親に、素敵な温泉宿に招待してもらう。満喫。
そして、彫刻へのご褒美も。
花人の村上さんに無理やりお願いして、彫刻を花器にしてもらった。
いやー、なんか絶対喜んでるよね。
ほんとに幸せな子です、こいつは。
蔦井さんとアグリスケープへ。
衝撃のおいしさ。人生のベスト鶏肉でしょ、これは。
こんなにかっこよくやってる人たちがいるんだ。
2022年、元旦
そして慌ただしいまま、年が開ける。
今年の抱負。
より負荷のかかった作品をみせることが、人の心を動かす唯一の方法、
それを身にしみて感じた昨年の個展。
ということは今年の抱負は自動的に、
「もっと負荷をかけた作品制作」
になります!
負荷って言っても何のこっちゃ?
という方(僕も含む)、朗報です、整理してみましょう。
挑戦する、という言葉でも置き換えられるかもしれないけど、既存の技術などに、作品を高めるであろう一手間、一労力を足すこと。
どうせなら一手間と言わず二手間ならなおよし。
とってもめんどくさいし、意味あるかもわかんなーい。
だから、なかなかやりたくない。
でもその一手間、二手間に慣れてしまえば、それがスタンダードになり、そこにもう一手間、二手間を加えると、トータルで三手間、四手間の進歩になる。
(そんな計算でいいのか?)
うーん、あまりいい例ではなかったかな。
自分でも混乱してきたぞ。
何はともあれ、今年も一年、負荷をかけて、元気にやってくね。
(強引な締め方)
1月 恒例の帰国前騒動(恒例になんてしたくないのだけど)
17日出国でまさか、15日にドイツのコロナ規制が変わり、PCR検査が必要ということになる。
すぐに、検査場に連絡するが、全て受付は2日前までということで、
当日は成田空港で4万5千円という選択肢しかない。ひとりの値段です。
さすがに凹みそうになったけど、何とか頭を下げて、その半額で検査を受けられる会場を手配できた。奇跡だった。
2万2千円、安くはないけど、4万5千と比べると破壊力が違います。
ベルリン着。
2、3ヶ月は、ひたすら静かに過ごす。
地味だったけど、こういう時に脂の乗った作品ができるから、おもしろい。
下は脂ののった、いや、ちょっと脂ぎった作品、笑。
(ふざけましたがいい作品だと思っています!)
彩子、ある日突然、働きすぎからのストライキ。
けん、たまらず、交渉の席につくも、即、妥協。
彩子、見事、有給休暇5日間ゲット。
いよいよ、ベルリン街彫刻始動。
何で住んでるのに、この街のやってなかったの!
まっ、じっくりやってくべ。
せっかくやるんなら楽しまないと損だし。
長くなってしまいました。
お付き合い頂いたお礼に一曲。
あやちゃんが歌う「手のひらを太陽に」
作詞 彩子(部分)
ぼくらはみんな 生きている
生きているから 歌うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから かなしいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮
ミミズだって、オケラだって、
ミミズクだって、
えー!いやいや、ミミズかぶりすぎ、
ミミズに引っ張られ過ぎでしょ。
正解は、
ミミズだって オケラだって
アメンボだって、
です。
]]>
アートエッセイ「世界凹み旅」
http://hecomi.exblog.jp/241305680/
2021-12-15T10:11:00+09:00
2021-12-15T10:11:48+09:00
2021-12-15T10:11:48+09:00
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渾身の出来となりました!
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公式ウェブサイト
http://hecomi.exblog.jp/240860066/
2021-02-28T23:11:00+09:00
2021-02-28T23:31:07+09:00
2021-02-28T23:11:16+09:00
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2021年2月、僕たちの公式ウェブサイトが完成しました。
2020年春から、準備してきて、約1年間。
時間をみつけては、少しづつ進めてきた、僕たちにとっては一大プロジェクトです。
それは2000年から、20年やってきた「凹みスタディ」を振り返るいい機会でした。
⚪︎きっかけ
この20年、ただすぐ前を見て進むだけ(時にはなんとか立っているだけ)、荒れた水面に顔を出して呼吸することだけで必死だった。
美術の世界にある独特の厳しさも身にしみた。
職業美術家は、作品販売が基本の収入になるのだけど、
それで食べていくことがどんなに大変で、不安定なものなのか。
どれだけの犠牲と我慢を必要とするのか。
たくさんの大切なこと、大事なものを、諦めたり、置き去りにしてきた。
あと、きちんと通用する作品ができない限りは、
発信してもあまり意味がない、
まだ攻めに回るのは早いだろう、という意識があり、主体的な宣伝は必要な分に抑えてきた。
それでもここのところ、 やっとだけど、やってきたことを振り返る余裕が出てきた。力まずとも、凪いだ水面に浮かんでいる自分たちに気がついたり。
転じる機運も高まってきたのかな。
そんな中、前代未聞のロックダウンという事態が起こり、、、
でも、もうメソメソ、怖がってばかりいる僕たちではない。
立て、立つんだ、けん、彩子、ジョー!!
こんな時だからこそ、真価が問われる。
望むところ、
自分たちその真価とやら、きっちり問うてみましょう。
せっかく静かで集中できるまとまった時間が手に入ったのだから、
とびっきり有効に使ってやろうぜっ。
という青春映画のようなきっかけでした。
(自分たちの真価については、、、ノーコメントで)
⚪︎感想
ひとつひとつの作品自体では、まだ人の心を強く突き動かすことはできない、と思っています。本当に。
それでも、この年月、注ぎ込んできた情熱だけは、このウェブサイトからなんとか伝わってくれるのでは。
⚪︎見所
ズバリ、各ページのトップにあるスライドショー(移り変わる写真)です。
数多くの候補写真から、僕が吟味を重ねて選び、順番を練りに練ったものを、彩ちゃんがゴリゴリ(容赦無く)添削していくのを繰り返す手法です。
お気に入りの写真を、何度、泣く泣く没箱に入れたことか。。。
好きな写真、綺麗でおしゃれな写真、そういうものと、見る側に語ることのできる写真は別なんだ、ということも学び、
構成・監修・編集者としての彩ちゃんの才能が花開いた瞬間でもありました。
⚪︎ウェブサイト制作
札幌の美術作家、武田浩志さんに制作をお願いしました。
僕たちの終わりの見えない、しつこい要求に我慢強く付き合い、さらに彼の美学を惜しみなく注ぎ込んでくれました。
僕が凹みを始める前からずっと作品を見てくれて、いろんなアホを一緒にやり、時には諭してくれる、まさに理解者です。
さて、
そろそろ、
ウォームアップも飽きてきたし、
攻めに転じようかしら。]]>
バイバイ2020年
http://hecomi.exblog.jp/240839247/
2021-02-14T22:28:00+09:00
2021-02-14T22:28:23+09:00
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hecomi-study
未分類
今年こそは皆様が、凹みませんように。
翻って僕には素晴らしい凹みが訪れますように。
(今さら新年の挨拶?って声が聞こえます。中国では旧暦で2月12日が春節です。めちゃくちゃ言い訳がましいですが)
さて、2020年は世界が震えた年でしたね。
未だに、なかなか整理がつかないことも多いですが、
その後半を振り返ってみます。
えっへん、6月。
色々なことが動き出している。
世界がいい方向に進みますように。
不謹慎かもしれないけど、街が動いていなかった頃の(3月、4月)静けさが、今となっては少しだけ懐かしい。
(その数ヶ月後、ドイツは結構大変なことになったのだけど、この時は知る由もなかったのであった)
そんな中、あやちゃんが突然、
「私、かぶ、始めたの。」
というから、びっくり。
へぇ
なぜこの時期に株なのか。
いい銘柄を見つけたのか。
なんかニタニタ、
企んだ顔をしている。
ちょっと
ベランダに呼ばれて行ってみると、
新しい植木鉢に、、、、
カブの苗が出ていた。
僕はあまり言葉が出なかったが、、、
あやちゃんはしっかり、ドヤ顔。
なぜ、、、。
女性って。
うっふん、7月、
宇部ビエンナーレ・夏の美術室という企画で、
僕へのインタビューを掲載して頂きました。
子供向けの言い回しになっていますが、あれ、
普段の僕の喋りと、さほど変わっていない、
という事実を突きつけられました。
ここの学芸員の皆様とは、なぜかとても心が通じ、
今でもオンライン飲み会とかで遊んでもらっています。
一転、8月。
1ヶ月くらい、梱包しないで、寝かせておいた(じっくり眺めていた)長崎の街彫刻。
あやちゃんからの助言もあり、週末を使って(平日はキールの街彫刻をやらなくては)、取り組んでみると、、、、
あらま、とってもな、イケ凹に生まれ変わった。
あれ、
なんとなく、
今日は何日だったっけ、
日付はというと、、、、
なんと8月9日だった。
凹みの神様が宿って教えてくれたのかもしれない。
こんな離れたところだけど、黙祷。
届け。
さて、場面は変わり、
と、ある、運気下がりまくりの数週間。
インターネットが突然、繋がらなくなる。
本当にバッツリ途絶えるのです。電話もぶっつり通じません。
さらに郵便事情、
ドイツ郵便さん、大事な展示用ワイヤーがなぜこうも届かない?
だって、配達員さん、近所の家や、お店に荷物を預けていくんだけど、肝心の不在票をポストに入れてくれないのです。
分かるわけないよね。ただ荷物が消えるだけなんです。
しかも、その日はずっと家にいたぞ。
ある日、昼なのに暗くなった。なんだあの異常な雲、、、と思っていたら黒煙だった。
向かいのマンションの屋上からゴウゴウ、これは結構な大火事だぞ。
後から聞いたけど、大規模に修復工事をするのはいいのだけど、土日にプロパンガスを何本も屋上に置き去りにしたのが原因らしい。
何週間か後、(ほんと修理にこれだけ時間がかかるのです)
電話がやっと通じて、
日本に電話をかけると今度は、
父の55年前の足の古傷が、今、再び悪さをし始めているとのこと。
もう数ヶ月日本に帰ることはできないのでどうしようもない。
ドイツから入る場合、
札幌まで行く国際線は皆無、羽田や関空などからの国内線、公共交通は使っちゃだめ、というルールになっているのだ。
どうすりゃいいってぇの。
(初夏に帰る予定だったけど、飛行機は全てキャンセルになった)
お風呂にお湯をためて気がついたのだけど、上下水道ともに、砂が混じってるじゃない。ザラザラ。
もう、信じられない。ここ、一応、先進国の首都の中心部だぜ。
国税局の監査。
ランダムに選ばれるらしいが、
見事、その対象に抜擢される。
ついてねー。
でも悪いことなんてなんもしてないし、全然大丈夫。
逆に外国人として、
誰よりもちゃんとやらないといけない。
そう言い聞かせてきた。
こういう時のために税理士事務所とともに二人三脚で歩いてきた。
どれだけ、ちゃんとやってきたか、やっと見せられる。
えへん。
なんて思っていたら、
ふむふむ、ニューヨークのポロック財団さんから頂いた奨学金、
ふむふむ、これは課税対象にはならないぞ、、、
ふむふむ、いや、実はなるのですって!!
えーーー、まじ?
これには税理士さんたちもびっくり、
状況が複雑らしく、
プロでもみんな知らなかったのだから、しょうがない。。
もちろん、払うべきものは払いますよ。わたくし。
さて、いくらの追加徴収だい?
⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎!
えー、
えー、払いたくない、わたくし、はらいたくないですぅ、そんなおかねぇ。
おのれぇ、法律め。
アビガン打ってやろうか。
あっはん、9月。
徐々に運気が上っている。
彩ちゃんのヴィザ、成功!
モンドリアン財団、成功!
9月4日、
全て(6箱)の箱を送り出す!
日程が延期になっていた、
オランダ、ライデン市のシーボルトハウスでの展示。
ミュージアムのスタッフが優秀だし、
1.5日間の予定が、0.5日で完了!
素敵なディナーにもありついて、
やっぱりオランダはいいなー。
帰ってきて次の日にキールへ。
キール市立ギャラリー
入念に準備していたので、3日間の設置予定が、
1.5日間で完了!
そういう設置の要領については自分たちの成長を感じることができている。
さぁ、そうやって自分たちが生み出した時間、、
どこに行くかというと、、、
海だ!!
二人、イソイソとお弁当(パン)を買って、
路線バスでレッツゴー。
街の喧騒もコロナも置いていく。
バルト海岸を裸足で歩く。
波と風の音で、体の中が、シャワシャワ、洗われていくみたいだ。
張り切って、砂浜ランニングまで。
ふぅ、これで今年の山は越えた。
ちょいと密でした。
会場のエントランスホールに展示した、キールの街の形彫刻
あとは、
台北のアートフェア、
パッとつくったら、
パッといいものができて、
パッと送った。
そしたら、
パッとは売れず、
結局
いつまで待っても売れなかった。。。
パッとは、、、
忘れられない、、、。
おっほん、10月、ベルリン
あやちゃんと、来たるベルリンでの展示、どれ見せよっか?
みたいな話になり、
2008年から取り組んできた彫刻を久しぶりに倉庫から出してくる。
2012年までかけて、ハンブルグ、ロッテルダム、大阪、バルセロナ、シカゴのギャラリーで観せたのを最後に、(なぜか全てその国第2の都市、そして港町)ずっと倉庫に眠っていたやつ。
久しぶりに出してあげたら、
まぁ、彫刻がキラキラ大喜びしているのがわかる。。
わたくしぐらい、気がふれてくると、彫刻と会話ができるのです。
(会話という名の幻聴?)
よっしゃ、あんたには、最高の展示方法を、見つけてあげよう、
ということで
ああでもねぇ、こうでもねぇ、と
粘っていると、1、2週間後、
その粘りが最高の出来栄えとなってくれました。
僕の代表作品の一つだろうな。
昨シーズンまで着ていた、高校生の頃に買ってもらったダウンジャケット。
日本製で、一向にへたらないので、もう30年近く着たことになる。
さすがにそろそろ、今風なのが欲しくなる。
吟味を重ねて、
新しく当たったのは、ゆ⚪︎黒のダウン。
いやー、このクオリティとデザイン。
そしてこのコストパフォーマンスは、素晴らしいです。
(別に安さを求めたわけではなく、デザインのみで選んだのだけど)
鏡を見て大満足です、シュッとして見える。
(ただ着る機会が全然ない、
要はね、お兄さん、
いい服を欲しがる前に、お前の体を仕上げろ、
速く走る高級車を欲しがる前に、お前が速くなれ。
高いランニングシューズを欲しがる前に、自分の足の裏にその機能を宿せ。
いい調味料を揃える前に、たくさん運動をしろ、
いい酒を飲む前に、たくさん運動をしろ、
それだけで味は1.5倍増しだから。
最近はそんなのをモットーに生きている。
縄跳び、ジョギング、サッカー、ヨガ、懸垂、プランク、
などなどを取り入れ、変な話、もうコロナ前よりも健康なんじゃないか。
タバコだって吸ってたことさえ、忘れてしまったし。(もう少しでやめて2年)
と、ここまで、気分良く書いたところで、
なんだか、煙たいぞ、
俺、吸ってねえぞ、
キッチンで煮詰めていた、
今夜の献立、豚の角煮の鍋底を真っ黒に激焦がししてしまった。
ガリガリとナイフで焦げを削っていく。
ふう。
前の日から、丁寧につくっていたのでがっくり。
煮卵7個も全滅か。。。
全滅の刃。
なんちゃって。
そんな、鬼しょんぼりしているけんに、
あやが一言、
「大丈夫だよ、たぶん香ばしくて、逆に美味しいよ」
「炙りチャーシューみたいになるんじゃない」
ですって。
優しい、、、
女性って。
そうそう、あのキールの街彫刻、
あやちゃんが粘り強く素晴らしいプレゼン用書類をつくってくれて、
ハンブルグのギャラリスト、みきさんが的確なオーガナイズをしてくれて、
キールの市立美術館に、ずっと、とどまることになりました。
こーんな風にぶら下がっています。
かっくん、12月、
ベルリンで予定されていた展示が、延期の末、中止。
搬入もすでに終わって、最高の彫刻、(例のやつ)が設置されていたのだけど。
そして、ドイツも例にもれずロックダウン。
みんなクリスマスを楽しみに生きているような国民性なので、本当にかわいそう。
可能なら僕の楽しみを分けてあげてもいいよ。
さらに変異種たるものも出てくる始末。
あちゃー。
それでも、美術家という職業に限って言えばですが、
ここまでくれば、あとはこの騒動に振り回されず、自分のやるべきことを淡々とやってきた人間が、勝ち残っていくのだろう。
ま、僕の人生、そもそも変異種みたいなものなんだから、
何か、文句を言えるほどのものでもないし、
実際に何の文句もない。
置かれた状況に、ヒーヒー嘆いて、その責任探しをする前に、
自分で選んだ職業で、自分で選んだ移住地で、自分で選んだ環境でしょう?
ならばそこに生じたリスクも100%自分の責任、全て背負うんです、それが大人というものですよね。
はーい、その通りでございます。
正論、言うのは簡単でーす。
でも、異種でも人間は人間、
ついつい、ごねたくもなるのです。
さぁ、今夜も、ゴネゴネ、一杯行こうか。
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オーロラとやさしさ(無いものねだり)てへぺろバージョン
http://hecomi.exblog.jp/240346622/
2020-05-26T00:43:00+09:00
2020-05-26T00:43:32+09:00
2020-05-26T00:43:32+09:00
hecomi-study
未分類
これからは少しずつ夏に向かっていきますね。
3月の香港、東京のアートフェアが中止になる。
新しい試みの発表機会でもあったし、
こんなこともあるんだ、とは思った。
でも、
まぁ、真っ盛りだし、しょうがない。
もっともっと、作品制作に時間をかけたい時だったので、
ちょうどよかったのかもしれない。
そう言い聞かせておこう。
アートフェア用の彫刻、
何が新しい試みか、わかるでしょうか?
目の玉をつけてみましたー。
マンハイム個展。
本当にこんな中やるのかヨゥ、と思ってたけど、
3月6日無事にオープニングを迎える。
すでにコロナがドイツに上陸し、いよいよ猛威を振るい始める数日前。
それでも、結構たくさんのお客さんがツラ〜としてやって来てくれた。
人によっては、すごく近づいて(30センチくらい)話し込んでくるので、こっちが怖くなる。
でもこんな状況を一緒に乗り越えることで、ギャラリストのセバスチャンやヤンとも随分と心が通い始めた気がする。
移動の電車とかも、なんとなくざわついてて気を使うし、すっごく疲れた小旅行ではありました。
写真、マンハイムの凹みから作った彫刻
フィンランド。
さぁ、ベルリンに戻った翌日、
今度はフィンランドへ出発!
こんな時期に大丈夫だろうかと思ってたけど、
こっちもみんなツラ〜としてて意外。
今回は、オーロラを見る、それだけの旅。
フィンランドの北の果て、なーんにもない、ラップランドに5日間も滞在する。(長いし絶対見れるはず)
あと、ヨーロッパでの運転とレンタカー、両方デビュー。(とてもうまく言った)
氷点下の夜に、凍りついた湖の上で星空を眺めながらフィンランドウォッカを飲んだり、
フィンランド風サウナの後、裸で凍てつく外に出たり、
天井ガラス張りのコテージでオーロラを待ったり、
歩くスキー、人生初体験で転びまくったり、
美味しい郷土料理を、もりもり頬張ったり、
雪にズボズボ埋まりながら行軍したり、
こんなに楽しく、おもしろ可笑しく、旅行したことが生まれてこのかたあっただろうか。旅をしてまたここに来たいと思えるのも久しぶりだ。
なーんにもない、と思っていたこの地、ラップランド。
でも実はぜーんぶ、あったのかもしれない。
そして美しい星空や、月明かりに恵まれて、、、
これはある意味、奇跡的に、
オーロラ、
見れませんでした!
(明るいと見えないそうです)
てへぺろ。
(使い方を間違えている気がする)
ベルリン。
さて、コロナ渦。
ふーぅ、それにしても困ったものだ。
なんだかねぇ。
誰を責めたって仕方ないんです、こういう時は。(いろいろなメディアさん)
みんな、一生懸命、それぞれの人生で初めてのことに必死で、手探りで対処してるんだから、
もう責任探しや、間違い探しとか、煽ったりとか、ギャーギャーとか、しなくていいんじゃないかな。
そんなくらいなら、初心に帰ってもう少しだけ自分を見つめ直すとか、
自分探しをしてみる方がずっと意味があると思う。
もういい加減大人なんだから、パニックは各自、自身の中で解決できるようになりたい。
といっている僕こそ、スーパーにトイレットペーパーが2週間ぶりに入って来たときに、
店内をダッシュして店員さんに怒られている当本人です。
てへぺろ。
(こんな風に使いたい)
そんな中、細菌の僕は、、、、、、
いや間違えた、
最近の僕たちは、
山にこもった隠者のように、広島と長崎の街彫刻に取り組んでいます。
夏にオランダのライデン市で始まる、原爆をテーマにした展覧会に出品依頼されたものです。
ただ、その悲惨な悲しい歴史を表現したい、思い起こさせたい、という気持ちはありません。
両市が奇跡的に成し遂げた、見事な復興、その過程には想像以上の苦しみと、
でも、そこにはまた、希望に向かって進んでいくという活力もあったはず。
現代の広島と長崎の街の形をモチーフに、
観る人にそういった活力や何らかの明るい熱を感じてもらえる彫刻にしたい。
両市の経験、ゼロからの復興の苦労、努力を思えば、
こんな暗いご時世でも、何だか勇気付けられる。
いや、正直、何度も勇気付けられています。
っていうか、それに比べれば、
まだまだびくともしません、できません。
人間ってやっぱり本当は強いよな、
なんだかんだ言っても人間っていいもんだよな、
と思えている自分に気がついた。
このパニックが落ち着く頃、
世界は今より素敵で、やさしくなっていると思う。
少なくとも僕はやさしくなれそうだ。
バイバイ、四十肩。(あやちゃんの献身のおかげです)
慌ただしくて、忘れていたが、いつの間にやら四十肩が治ってきた。
もーう絶対になりたくないし、他の怪我も嫌なので、ぜーんぶひっくるめて徹底的に鍛えてやる。
覚悟しとけよ、僕の体!
と、、、
張り切ってましたが、
肩の時期も考えず、無理して懸垂してまた痛くなる。
というオチです。
あとベアフットランニング(裸足か、極めて裸足に近いクッションなしの靴で走ることで足が本来持っている野生の機能を取り戻す)を始めてみて楽しくて、わーいわーいとスピードを上げ、、、、
あれ、あれ?
やっぱり足を痛めました。
(最初はスピードを上げるなと、あれだけ店員さんに忠告されたにもかかわらず)(牛乳をいっぱい飲んだら数日で治ったけども)(なぜか彩ちゃんだけは、この裸足のような靴にとても早く慣れてしまった)(野生的?)
あと今年から初めて花粉症になり、
痒くて目をいじってるうちにものもらいができた。
ちぇっ、よくもまぁ、次から次へと支障が出てくるもんだ。
やい、やい、左の目ん玉、アビガンでも打ってやろうかっ。
へへへ、とは言っても、
春で
気持ちよくて、
ボワーンとしてきて、
お花も綺麗で
何だかどうでもよくなる。
いやー人間って弱いねぇ。
いやーお酒はうまいねぇ。
やべ、ここらでひとつくらい意志の強そうなところを見せておかねば。
(彩ちゃんの両親に読まれたらかっこ悪いし)
なんかあったけな。
そう、タバコをやめて一年が過ぎました!
去年の4月1日から始めたのだけど、(どうみてもエイプリルフール)
嘘にならなくてよかった。
何がいいって、まあ楽チン。タバコのことを考えずに済むっていうのが一番大きいかな。
こんなストレスの溜まる時世に、一本も吸わずケロッと乗り越えられたのだから、もうこれからも大丈夫だろう。
本当に嬉しいな。こんなに嬉しいとは思わなかった。
いい夫でしょう?]]>
放蕩トナカイ達の帰還
http://hecomi.exblog.jp/239925139/
2020-01-02T01:05:00+09:00
2020-01-10T17:45:48+09:00
2020-01-02T01:05:38+09:00
hecomi-study
未分類
あけましておめでとうございます。
今年2020年も皆様に凹みが訪れませんように。
新しく僕の家来になった8匹のトナカイ。
クリスマスまでに我が家にやって来るはずだったのですが、何せ到着が押しに押し、こうして新年の挨拶をすることになってしまったのです。(わかっていますよ、今年はネズミ年)
うん、失礼な言い方だけど、この軍団、確かに、あまり、有能な、機敏そうな顔はしてませんよねぇ。いかにも遅刻しそう。。
どさくさに紛れて、牛や羊、果ては水牛っぽいのも混じってる気がするし、チームワークも苦手そう。
でもとにかく、皆さまに挨拶させるため、
一生懸命作ったので見逃してやってください。
さてさて、
今年の抱負は?
ホームラン20本。 おー!すげぇ
打率2割 えー!少な
打点20 ミニマムゥ!
そう、トリプル トゥー です。
何でも少なめに見積もるのが一番、
楽するコツです。
2019年
楽しかった中国での滞在も終わり、
あとはベルリンのがくーんと暗い冬を乗り越えるばかり。
長い間、更新されないブログではありますが、なんとか元気でございました。
自分の頭にあることをだだ流ししているだけですが、それでも後々自分で見返してみると、結構面白くもありこれからも続けていくつもりです。
さて2019年のハイライトは3つあります。
成都
禁煙
四十肩
それでは中国、成都市での二ヶ月の滞在を振り返ってみます。
手こずった到着。
成都の空港着、
さぁここから、二ヶ月間の住処を目指す。
想像をはるかに超える大きさ。
人口は1600万人ですって。(人口を一概に比べるのは危険ですが、相当な人口です。ちなみに僕がいるベルリンは400万人、東京都では1300万人くらい)
言われていた住所に着いてみたら、林立する巨大な高層マンションと、巨大ショッピングモール、地下鉄の駅などに囲まれている。
広すぎてどこが待ち合わせ場所か全くわからない。番地やヒントもないし。いやありすぎて分からない。
結局、僕らのお世話係アンランと合流するのに2時間。
本当に申し訳なかった。
さて、我々、中国に来るのは初めて。
偏りがちな、中国についての情報しかなかった僕たちですが、
いざ生活を始めてみると、
何だか固定概念が覆されていきます!
老若男女、貧富などは違えど、何だかみんな希望に満ち溢れている。
何だか眼がキラキラしているぞ。
挨拶しても何だか超素敵な笑顔が帰って来るし。
言葉が喋れない僕たちにも、何だかとても人懐っこく接してくれる。
ううーっ!何だかテンション上がるぅ。
そして、成都と言えば四川料理、もうー、本当に、とんでもなく、美味しい!
一に惣菜、二に社員食堂、三四は家飲み、五に近所にある無数の食堂。
何をどう食べたってすごくおいしい。
こんなにも美味しいんだ。
僕は凹みを探すという職業柄、40カ国以上に出かけたことがありますが、
ちゃかちゃん、
今の時点で、ダントツ、圧倒的トップです!(中華料理というより四川料理に限っての話です)
少しでも伝わってくれたらな、ということで以下がそのごく一部です。
ふぅ、うまかったぁ。
でも、何と言ってもこれに尽きる。
アパートには3組のアーティストが共同で住むのですが、
一緒に住んだ同輩には本当に恵まれました。日本の美術家、Uさん。と最後の数週間はMさんも加わっての共同生活。他人との共同生活の経験が少ない僕なので、最初は緊張するのだけど、とにかく気持ちよく気を遣ってくれるのです。
もちろん僕も、パンツでウロウロしないよう、上下からガスを出さないよう、少しは気を遣いましたぜ。
将来また、展覧会でご一緒しましょう。
都江堰
紀元前200年以上前に造られた古代水利施設。現存する世界最古の灌漑事業として世界遺産に登録され、なんと現在でも、しっかりとその役割を果たしているのだからすごい。。
この地形を利用した都江堰の灌漑施設は、冬と春の農業用水の不足と生活用水の需要に応えるだけでなく、夏と秋に起こる洪水から街を守ったのです。この古代の知恵が、四川盆地、そして成都市を限りなく豊かな都にしたと言われているほどです。
へぇー、こんなところの凹みが欲しいなー、ということで暇を見つけて行ってきました。
簡単な山歩きハイキング気分。露天で買い食いしたり、まぁー、タラタラ歩いていると、あら、いかにも威厳のありそうな、古木が。なんだかそこだけ空気が変わっている気がして引き寄せられていきました。。
その木の根が地表に表れようとするところに、あった、あった、なんとも奥ゆかしい凹み。
けんあや共に、一発OK、早速トレースを始める。
早速人懐っこい方達が集まってくれる。温かく見守ってくれました。
スタジオ。
僕らの仕事場は美術館の展示会場内の一部屋でした。
美術館、そしてその周辺地域が大規模な改修(新築もたくさん)中だったので、まだ仮のスタジオでした。
まーとにかく暑くて騒がしい部屋でした。
ドアというものがないので、ふと気がつくと誰かが僕らの作業をじーっと見てたりとか。結構ビビります。
騒音もすごく、時々、苦行のように感じました。
それにしてもこのプログラムではよく働いた。
今までに、いくつかのレジデンスプログラム経験はあるのだけど、
ここのプログラムはいい意味でしっかり盛り込んでくれました。
ワークショップ、カタログ、凹みマップ、公共彫刻プラン、個展、交流会、プレゼンテーション、スタジオ訪問、執筆、ミーティング、そしてもちろん毎日びっちり制作があります、そんなに詰め込まないでよ、と言いたくなることもありました、正直。
一番大切な制作の時間、を確保するのがもーうとても大変。(スタジオは10時から5時までしか使えないので)
写真はワークショップ風景と完成した凹みマップ、個展。なぜ、子供に囲まれることが多いんだろう?
滞在、終盤はまぁ体がガタピシ言いそうだったし、頭もクラクラするくらいいろいろやることがありましたが
でも、後からいろいろ考えて、総合してみると、
やっぱり、
百点満点、最高のアーティスト・イン・レジデンスでした!
誰にでも胸を張って勧められます。
えっへん、四十肩。
職業病でもあるし、中国での無理がたたり、四十肩になってしまいました。
多分、程度で言えば少し重めかな。
決め手になったのが、全ての工具、素材、諸々を詰め込んだ数十キロの荷物を、長い間運ばなければいけなかったこと。ベルリン以外で何かを作りたければ、それなりにリスクは負わなければならないんだな。って、いつも思い知らされるんだけど、一年くらいしたら忘れちゃってね、
またすぐ、外国でのプログラムに応募しちゃうんですぅ。
しかしこんなにきついとは思わなかった。
変な動きをした時の痛みもすごいけど、
一番は夜、寝られないことかな。
痛くない姿勢を見つけるのが難しく、一晩で10回、20回くらいは目が覚めて体勢を変えなくてはいけない。それが7月から続いています。
なんだかずぅーと眠い日々です、慣れてはきたけど。
ジョギングとかリフティングの動きだと痛くないのでそういう運動は、なんとかいつも通りできています。
えっへん、禁煙。
何と言っても我が人生における最も有意義なこと!
10ヶ月目に入りました。
2019年4月1日から、(なんでこんな嘘くさい日に始めたのだろう?)
今日まで一本も吸っていないのです。
自分でもびっくり。
彩ちゃんにも、けんちゃんは本当に意志が強いね、と見直されました。
(まぁ、意志が強い人間はそもそもタバコを吸い始めないんだろうけど。)
自分が、アフタヌーンティーにどの種類の紅茶を飲もうか、楽しみにしている日が来るなんて、ちょっと前の僕は考えてもみなかった。
あと、これは制作についての心構えともリンクしているけど、多分、集中力、忍耐力、が続くようになったと思う。
選択肢を前にして、大事な判断が必要な時に逃げなくなった。
いろいろ頭の中で考えを進めていく時にも、途中で諦めなくなった。(どんだけ弱かったんだ)
あと、ポジティブな精神状態でいられることが、より多くなった。
歯も目に見えて白くなってきたので、にっこり笑うことが楽しくなった。
タバコを吸わない人は、一体何を心の、日常の支えにして生きているのだろう。そんなことがどうやったら可能なんだろう。
ってくらい極端な考えを持っていたけど、
いやいや、タバコを吸わないですむことがどれだけ自由なことか。
なんか、とっても楽チン。
いろんな制約から解放されたことが、
自分が本当の意味で、縛られない、自由の身になれたことが、今、とても嬉しい。
制作。
本気で作品を高めるということ。
いつも言ってるけどなかなか身にならない。
難しいなー。
でも
もう言い訳とかもやめよう。
こんな素晴らしい環境で、いい作品を作れなかったとしたら、
一体いつ作れるんだい?
家族もみんな元気、融通のきく時間はたくさんある、体も精神もますます健康(肩以外)、経済的にもなんとか落ち着いてきたし。
前にも書いたけど、一点一点にかかる時間はどんどん長くなっています。加工技術、スピードは格段に上がっているのにも関わらずです。とにかく、知恵を絞ったり、一番いい選択肢を選んだり、探したり、解決方法を妥協しなかったり、そういうことに時間がかかるようになってきたのかな。
すっごくいいことです。
この調子でもう少し続けさせてください。
凹みチャート
最後なりますが、ここ最近始めた、
えっへん、ザッ凹みチャートです。
というか、凹み彫刻の経過をビジュアル化するために、彩ちゃんが始めました。
凹み彫刻を始めて20年、
ただただ、抽象彫刻を作ってきました。
僕にとっては形を探る当然の行為なのですが、
ただそんな抽象的なものを観せ続けられてもねぇ。
せっかく観てもらえるのであれば、少しでもこちらがとっかかりを用意しないと。作品に魅力を感じてもらいたいなら、こちらからも努力しないとだめだよな。
と、思うようになりました。
そこで数ある彫刻を、各時代で探りたかった形の系統別、少しずつ進化していく過程、変化のきっかけになった作品のピックアップ、技術革新後の形の変化、などいろいろな視点から分布させてみる、ということにトライしています。
最初はたりぃたりぃ、と嫌々付き合っていましたが、だんだん系統化が進んでいくと、ありゃいろんな発見が気持ちいい。
いつか、の話ですが、考えや分布がしっかりまとまったら、
大判の印刷物として発表したいと思っています。
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ララバイスモーク
http://hecomi.exblog.jp/239329867/
2019-06-24T13:38:00+09:00
2020-01-02T03:01:25+09:00
2019-06-24T13:38:21+09:00
hecomi-study
未分類
さあ、我われ凹み軍団(夫婦)、
何を隠そう、今現在、中国は四川省、成都市に滞在しています。(5月中旬から7月中旬まで)
A4美術館というところが主催するアーティストインレジデンスプログラムに招聘されました。(紙のフォーマットみたいな名前。。。)
成都市の街彫刻、そして凹み作品の方もやってみるつもりです。
成都近郊には都江堰という2千年前の灌漑施設があるのですが(世界遺産)、そこにもすでにかっちょいい凹みを見つけていたり、
バリバリやってやるつもりです。
さて、
中国大陸はけんあや共に初めて。
それにしてもスケールがでかすぎる。
何の?と聞かれても困ります。
街、道路、人、物事、食べもの、
全ての規模、物量、大きさがすごい。
いやすごい。
こんな国、すごい。
ところで、みなさん、一般的に言われる「世界3大料理」を挙げられますか?
フランス、
まぁ、美味しい、とても美味しい!
食に対する態度が紳士ですもの。
納得です。
トルコ、
へぇ、そうなんだ、と意外だったけど、
いざ現地で食べてみると、とぅっても美味しい!
風土に根ざした美味しさにびっくり。
納得です。
そして、中国、
これについては僕自身、現地で食べたことはなく、
正直、3大料理にふさわしいのは、日本の方だよね!なんて思っていた。
しかしこれは、本当に本当に間違った認識だったことがわかりました。
中国の方々、申し訳ありませんでしたぁ。
脱帽、いや脱髪してもいいくらい。
とにかく食への貪欲な探求、意欲、情熱、そして実践がすごい!
だいたい何を食べてもそれなりに美味しく、結構頻繁にトゥっても美味しいものにも当たります。
ここ四川省は中国でも特に人気のある食文化というのもあるだろうけど、、、、、
今まで食べたいろんな国の中で、、、、、
チャカチャン! 余裕で一等賞!
もぉーう、美味しい!
あと、人間。
中国、いや成都にしておきます。
成都の人は本当に気持ちがいい。
とにかく優しいし、明るいし、人懐っこいし、笑顔がいい。
みんなキラキラしています。
うーん、なんか、ここ成都のことは、書くことがたくさんありすぎるのでまたにしまぁす!えへ!
美術館の社員食堂の定食、一品一品、こういった普通のものがとにかく美味しい。
なぁ、俺と手を組まねぇか?
◯ララバイスモーク
2019年4月1日です。
今までやってきたどのプロジェクトよりも、大きな一大イベント!!
人生をかけた試み。
ほぼ、ミッションインポッシブル。
それは
禁煙です。
今日からはタバコを吸わないのです。(エイプリルフールとかではありません)
数日前から禁煙準備、ミント、ガム、果物、お菓子、アイスなど思いつくタバコの代用品を買い漁る。
ストゥブ社のめちゃくちゃ可愛い、ティーポットを買う。
(禁煙中は口寂しさが予想されるから、お茶に逃げる)
もう、タバコを吸わなくてすむと思うと、あーいい気持ち。
(ちょっと吸いたくなる時もありますが)
まず、歯が、口の中がきれいになる。多分、口の中の状況がどんどん改善されています。
顔色が良くなる。
身体中の筋肉が緩む、リラックスする。
咳をしなくなる。
肌がすべすべ。
足が冷えない。
禁煙したら太る、と言うけどそれはなかったかな、
普段以上に気をつけて運動したし。
そのうち、口寂しさもなくなります。
間食もだんだんめんどくさくなり、一切しなくなりました。
驚いたのは、普段飲んでる安ビールが、なんとも香り高い高級クラフトビールに思えるくらい、味覚が回復したこと。ビールってこんなに美味しかったの?ここで高級ビールを飲んだらどうなっちゃうんだろ。
そして紅茶、ミントティー、ハーブティー、ジャスミンティーなんかが、本当に美味しく思えるようになってきた。いやー人間、変われるものですね。
このわたくしが、アフタヌーンティーですって、わからないものですね。
ところで、なぜ、禁煙を思い立ったのか。
はて、よく聞かれるなぁ。
多分、やっと、けん、あや二人、美術家として生きていくことができ、でもそれは本当に奇跡的に幸運なことで、せっかくそれを与えられたんなら、それなりにしっかり取り組まなきゃな。持ってるもの、それ以上、全てをつぎ込まなきゃな。
っていうのと同時に、いい作品を作る、ってことがいかに難しいのかを、体感できているのだと思う。少なくともあと何十年かはがっつり作り続けられないと、いい作品どころか、話にもならない。
ということで、少しでも健康な体と精神、タバコに頼らない集中力、月々の節約、などなどを、ちょっとだけでも高めたい、そんな気持ちで始めました。
頑張ってみます。
(今これを書いてる、6月下旬現在、もうすでにタバコのことさえ考えなくなりました、中国はお茶が美味しいので、コーヒーさえ一ヶ月以上飲んでいません)(コーヒーはやめなくていいんだけど)
◯1、2、3月と、とにかく作った、作ることができた。
連続して精魂を込めていると、何だか作品が少しだけ前に進み始めた、、気がした。
最近とみに、一個一個の作品が出来上がるまで、より長い時間が必要になって来た。
これはすごくいいことですよね。
イコール、今までどれだけ手抜きしていたのか、ということでもあります。
まぁでも、やっとそれに気がつけたのであれば、やっぱりいいことです。
この時期には、「公共彫刻を8個つくってよ」なんていうよくわからない変な情報も飛び交ったりしましたが、(何だそりゃ?)地に足をつけて歩けました。
そして、それなりの(予想以上の)結果も出してくれました。
各ギャラリーに感謝の一言です。
◯3月、ハンブルグでの個展。
無事に始まりました。
少しでも前には進めたかな。今までより半歩でも。
ある日、素敵な建物で凹みフィッティングをしていると、シャキっとしたお兄さんが「うーん、ここで、なにやってるのかなぁ?」とやって来た。一緒にいたハンブルグの写真家、フェリックスが色々応対してくれてまあ何事もなかったのだけど。
後から聞くとどうやら、ここにはドイツ版のシークレットサービスがオフィスを構えているそうで、こういう(僕らみたいな)よそ者にはとっても敏感な応対をすることもあるらしい。
ちょっと、ぞっとしました。気をつけないとね。
(ちなみにこの建物は最近、世界遺産になりました)
◯真冬のハンブルグでの真冬の凹みフィッティング
美しい樹氷、キラキラする世界に迷いこんだようです、、。
いやー、でもそれってすごく寒いってことでもある、よね。
4人でスタート。
あるはずの凹みが全然見つからない、重〜い石の下敷きになっていた、
泥が凍りついて凹みに詰まっていた、近くのカフェの兄さんにお湯を持って来てもらって凹みにぶっかけた、
などなど、ハプニング続きでしたが、
なんとかOK!
一緒に手伝ってくれた、ミキさん、ヤン、フェリックスなしでは、とてもじゃないけど完了できなかったな。ありがとう。
◯3月、香港のアートフェア。
札幌伏見稲荷神社の階段で見つけた凹み彫刻も出品する。
2015年につくってから、ずっと札幌にほったらかしてあった凹み。
「これ、ポテンシャル秘めてるんだから、ベルリンに持って帰って作り直そうよ」彩ちゃんがそう言うのなら間違いはない。
張り切ってベルリンで取り組み直しました。
結構、簡単に、数日もあれば大丈夫だろう、なんて思って始めたけど、、
実際には、一週間経っても、二週間経っても、うーん、なんか納得がいかない。
結局、一ヶ月弱、かかってやっとできた。
何が?って言われるとよくわからないけど、少しずつどこかに進んでいる気がするのです。
稲荷彫刻です。
◯2月、世界遺産の建物が会場になるロッテルダムアートフェア
(なんか世界遺産多いな)
ロッテルダムの街彫刻を出品。港だからってわけじゃないけど、船っぽい彫刻になりました。(いや船っぽくしようと意識しました)
この船彫刻を気に入ってくれたところとは、来年一緒に仕事をすることになりそうです。何がどう転ぶかはわからないですね。
船彫刻をバラした写真です。
◯2019年、新年です。
何から始めようか。
失踪した凹みハウス君からかなぁ。
あ、言ってなかったでしたね。
ぼくのとても気に入っていた彫刻が神隠しにあったのです。ドイツ郵便 (DHL)がいかにおぞましいか、ここでは詳しくは書きませんが、
オランダでの展示に合わせて、凹みハウス君をマンハイムのギャラリーから送ってもらって、、、、、、、、。
そのままなくなりました。
一応、保険はおりたのだけど、全額じゃないし、
すごく気にいっていたのになぁ、あーぁ、しょうもね、と、グダグダ言ってる方がもっとしょうもない。
そんなに気にいってるなら、もう一回作り直せばいいじゃん。いや、こうなれば3倍の大きさで作り直そう、もっといいのを作れるチャンスをもらったんだ!!
ってな感じで、ポジティブな人間になれるよう自分に言い聞かせています。
年末年始は彩ちゃんがまとまった時間を作り、
20年分の作品リストの更新、改善、
我が家の作品、素材倉庫整理を徹底的にやってくれた。
次に踏み出す準備は整いつつあるのです。
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天使が住む家
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2018-12-28T01:29:00+09:00
2018-12-28T01:29:29+09:00
2018-12-28T01:29:29+09:00
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未分類
今年も無事に暮れようとしています。
みなさんにおかれましては、どんな年を過ごしたのでしょうか?
こちらベルリンは寒いし暗いし、街もすっかり静か。
我が家も例外にもれず、静かで、心地よく過ごしております。
ただ、11月下旬に、やたらとうんちを踏む週があり、3回靴を洗いました。
とほほ。(何故かあやちゃんは大喜びでした)
いいことも悪いこともありますが、(いいことは、、まだよくわからないので書けません。悪いことは、アメリカやスイスでのコンペに落ちたことです、はっはっは)
それでも、
こんなに全ての時間を制作につぎ込める時期もあまりありません。
いつやるの!?
今でしょ!
(こんな塾の先生、いましたよね)
11月下旬、スペインでの個展が終わる。
搬出、搬出っと。
ギャラリスト、ホセアントニオ
「けん、とてもいい話しがあるぞ、スペインのとても重要な教会での展覧会があるんだけど、現代美術としてはタダ一人、お前の作品が選ばれたんだ。テーマはエンジェルだ、天使だ、知ってるか?」
何が重要なのか、何故選ばれたのか、全く話が見えてこない。
けど、いくら日本人でも天使くらい知ってるよ。
「ベリーベリー、インポルタントー、やるだろ、やるだろ、天使、作るだろ?」
はい、とても重要な仕事なのね。
「エンジェルだぞ、けん、エンジェル。」
なーにがエンジェルだよ、悪そうな顔してるくせに。
(ホセアントニオは、ジョージクルーニーを太くし、マフィアに属させたような風貌だ)
話半分で聞いてたけど、人生、何があるかわからないな。
だって、スペインの片田舎にある、有名な教会に、、それとも有名な展覧会?、、話がまだ見えてこないけど。
そこに、一日本人が、天使をつくる、、、
はあ?
はあ?
字面では、ほとんどの方がピンと来ないのでは。
僕でさえピンときていないのだから。
いったいどんな経緯でぼくが選ばれたのか、それさえわからない。
ということで今、目下のところ、ほんとに天使をつくっています。(スタディモデルだけど)
その教会のある町の形が、これまたほんとに天使みたいな形なんです。
「あやちゃん、モデルになってくれなぃ?」とふざけたら、まんざらでもなさそうだった。
ふぅーん。
女性って、羽なんかが欲しいものなんでしょうか?
尻尾とかの方がずっと役にたちそうだけど。
写真はレルマという町の形をモチーフにつくった、天使(ぽい)彫刻。
現在、仕事場の隅っこにぶら下がってます。
10月下旬 今度こそベルリンで落ちつく。
9月からの一連の移動が一段落し、正直ほっとした。
しばらくは人に会わなくていいくらい、たくさんの方々に会って、遊んでもらった。
さてと、生活を立て直そう。
時差で生活リズムが変になってたし、
食材もしっかりと買い込もう。
部屋を使い易く修正して、
アトリエの壁を真っ白く塗り直す。
新しいキャンバスに向かっている、絵描きのような気持ちになれて気が引きしまる。
何からつくろうかな、ルンルン、、、。
10月中旬 ベルリンに帰ってきた!
と思ったら、今度は台北です。
でも、二人ともさすがに行く元気はもう無い。
ベルリンからの遠隔操作に挑戦しました。(彼らはすごく優秀だし)
いい展示だったけど、結果は、、、
チャカちゃん!
うーーーん、いくらなんでも、もうちょっといきたかったなぁ。
うーん、何が悪かったのかなぁ。
これじゃ、計算が立たないなぁ。
道のりは長いなぁ。
10月11日、
やっと、ベルリンに帰ってきた、と思ったら今度はアムステルダム行きです。
アムステルダム国立美術館での搬入と、もろもろ。
オランダはだーい好きなので、疲れるわけがない、、、
、、わけがない。
なんてったって、そう、この国にはロッテルダムのギャラリスト、ミリアムがいるからね!!
今年は、日本にたくさんの台風が上陸したけど、
アムステルダムにも一個、上陸したようです。
彼女はとにかく人をいっぱい集めては、
「うふふ、けーん、何かストーリーを聞かせてぇ」
ってな感じで、
僕に何か話せ、と振ってくる。
その度に僕はなんだか、、ゾゥとする。
ストーリーってなんだよ、何についてのだよ。
ただでさえ、人前で喋るのが苦手。変な汗も出る。
日本語で、しかも事前に何度も練習していても、とてもお上手とは言えない。
それが英語ともなると、もっと練習が必要なのに、、、。
まぁ、ミリアムを責めてもしょうがない。
もっと勉強しようっと。
そうそう、いつも書くのが後回しになるけど、展示はばっちり決まりました。
9月の末日、
ベルリンに帰ってきた、と思ったら今度は日本行きです。
うふふ、僕の自信作(札幌市民交流プラザ彫刻)のオープニングと、
台北のアートフェアの準備です。
最初の3、4日で、メインになる彫刻を台北に発送。
どこにも遊びに行かず、いろんな誘惑にも負けず、雨にも負けず、力を蓄えました。
10月6日から、
オープニング、祝賀会、テープカット、取材、お祝い、お礼、挨拶、背広、笑顔、取材、撮影、出席、慇懃に挨拶、じっと静かに座ってる、などなど、
どれも慣れない不得意なことばかり。
これでも出来うる限りのことはしてるんだけど、、ちゃんと出来ているのかな。
それでも、
完成した彫刻が嬉しそうに(少なくとも僕にはそう見える)、気ままに、気持ち良さそうにクルクル廻っているのをみると疲れも吹っ飛びます。
ぴったりの居場所をみつけられてほんとによかったね、彫刻さん。
さーて、仕事は終わってあとは遊ぶだけ、
俄然張り切っちゃいます!
酒、温泉、ビール、刺身、ワイン、焼き鳥、ドライブ、紅葉、ハイキング、梅干し、居酒屋、湖、馬鹿話、焚き火、おつまみ、シャケとば、乾杯、
もう好きなことばかり。
さて、わざわざドイツからクリスティーネとアルミンが来てくれたので、レンタカーでお出かけです。
途中、熱望されて日本のスーパーマーケットに連れてったのだけど、
二人とも異常にテンションが上がっていた。
なぜか、長芋一本をにぎりしめて離さないクリスティーネ。
「それ、夜、食べるの?おろし器とかあるの?」と聞いてみると、
「うふふふ、ベルリンに持って帰って、かわいい孫にあげるのぅ。」
ですって。
??ドイツにはそんなおかしな風習もあったんだ、、。
あと一週間、日本に滞在するのに、いいのかなぁ。
連日の飲み会と、極度の渋滞でぐったり疲れたけど、
なんとか小樽のホテル着。
夜は古い友人と飲む。
次の日は忍路経由で余市へ。
○忍路でタコ遊び。
僕とあやちゃんは忍路港が大好き。
なぜだろう、とにかくものすごく素敵な時間と空気が流れているからかな。
クリスティーネとアルミンにもみせてあげようと、港に車を停める。
その瞬間、一艘の船が港に入ってきました。
そして、なんという幸運か、その船は今まさにタコ漁を終えて帰って来た船だったのです!
わーい、タコタコ。食べてもおいしい、みても楽しい。
しかも、漁師さんが岸に一匹投げてくれて、僕たちは間近でキャーキャーできたのです。
アルミン(外科医さん)は、ひとり海岸でウニの殻とか、蟹のはさみとかを拾っていたのだけど、なぜか、カサカサになって砕けそうな藻を拾って大事そうにタッパに入れていた。ドイツに持って帰って何に使うのだろう?
絶対に食べれないぞ、あれ。出汁も出ないぞ。
9月末、バルセロナへ。
このギャラリーでは3回目になる個展。
わーいわーい。
大好きなバルセロナ、たらふく喰って、飲んだくれるてやるぞ。
今回はバルセロナギャラリーウィークというイベントに合わせた個展なのでオープニングパーティーは2回。。
??
よくわからない。
2回とも、なんか急に喋らされるし、もーぅ、言ってよぅー。
ちゃんと準備するからさぁ。
でもどちらにせよ、もっと英語の勉強しなくちゃ恥ずかしいな。
一向に上達しないな。
バルセロナの総領事の方にも来て頂き、挨拶までしてもらう。
当日、ホセアントニオから聞いた。
前もって言ってくれたら、もう少しいい服きたのに。
ガウディが最初に設計したという建物での朝食。(最近オープンしたらしい)に招待されたのだけど、
これがもう、みんなゴージャスに着飾って、大変ご立派な会食だった。
シャンパンとか出るヤツ。
ぼくはなぜかジャケットを羽織っていたので、まだしも、彩ちゃんはちょっとかわいそうだった。(てろてろの運動靴にジーパン。。。)
教えといてよぅー。
それでも、
帰りの飛行機では、美しいモンブランも見れたし、
期待を裏切らない街でした、バルセロナ。
いやいや、そんな話しではなく、肝心の作品と展示はどうだったんだい?
うん、あやちゃん曰く、今までのベスト。
しっかり合格点を頂けました。
というか、合格点は当然、
毎回、しっかり準備し今までのベストを叩き出して成長していかないと、この世界では生きていけないんじゃないかな。
ひどい世界に迷い込んじゃったな。
正直、とっても不安です!
でも、ワクワクもします!
うふふふふ。
写真はみんなで彫刻と触れ合ってますよ風な、やらせ写真です。
9月はゆっくり過ごせる、、、
訳はなかった。
けんが背中をぎっくりして、。
その穴を埋めようと奮迅した
あやも、腰をぎっくり。
バルセロナの個展に合わせてカタログ制作、
これもとても急。
なんでこういう大事なものを2、3日で作ろうとするのだ、あなたたちは。
ある日、急にスイス、バーゼルの街彫刻(小さい)をつくるはめになる。
ハンク(香港のギャラリー)がスイスのアートフェアに応募したいから、かっこいいプロポーザルが必要なんだって。
これも!
そういうのって、僕みたいなぺーぺーなら尚更、ちゃんと本気でやらないと絶対受からないし、どうして、もう少し前もって言ってくれないかなぁ。
あー締切、〆切り、どっちを向いてもシメキリばっかり。
でも、ぼくのような意志の弱い人間には、ちょうどいいのかもしれない。
それがないといつまでもダラダラするし。
いくつかの締切がたてこんだけど、
それにしっかり対応できた僕たちを褒めてあげたい。
そう、ポジティブに行こうぜ。
来年もなんだかんだ、忙しくなりそうです。
本当にありがたいです。
○税理士さんのオフィスへ。
あやちゃんが彼らの作った書類のミスを見事、指摘する、、、と
クリスティーネが猫なで声で
「ねぇぇ、あやこぅ、うちで働かない?」
けん「ほぅ、金になるかもな」
と一瞬、思ってもみたが、
あ、危ねぇ、これは、、これがヘッドハンティングというやつか。
せっかく二人で、専業美術家になったばかりなのに、冗談じゃねえ。
ここまで来るの大変だったんだぜ。
早速、きつく、あまり丁寧じゃなくお断りをいれました。
あれ、言ってませんでしたよね。
彩ちゃんは今年の4月13日から晴れて、
凹み一本に舵を取ってくれたのです。(彼女の40歳の誕生日です)
10年以上、働いていた職場(韓国人の巨匠のアシスタント)を辞めて、
僕の作品一本に賭けてくれるのです。
期待に応えられるだろうか。
凹みで我が家の全生計を立てられるだろうか。
もう一度、バブル期や氷河期が来るのではないか。
不安? そんなものはありません。
なんてったって、俺様ですから。
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黄色の花が咲く
http://hecomi.exblog.jp/238728474/
2018-08-27T23:16:00+09:00
2018-08-29T00:29:33+09:00
2018-08-27T23:16:08+09:00
hecomi-study
未分類
さてお盆休みも明けて、またいつもの日々が始まりました。
今年は6月から8月中旬まで札幌に滞在しました。
今はベルリンに戻り、いろいろこの街の文句を言いながらも、これからこの街で過ごしていくわけです。
それでは、3月から覚えていることを綴ってみます。
○8月8日
日本での全ての仕事を終え、今日ベルリンに発ちます。
朝、早く起きて出立の準備。
とは言っても前の日のうちにやってあるので余裕。
家を出る20分前。さてと、パスポート、パスポート。
「あやちゃん、僕のパスポート知らない?」
「え、知らないよ」
そうか、そうか、どっかにぶん投げてたっけ。
ガサゴソ、ガサゴソ。
あれぇ、ないな。
あっちにも、、、こっちにも、、、
ない。
変なとこに紛れ込んじゃったかな。
ガサゴソ。
え、やっぱりない。(ここらで顔が青ざめ始める)
「お父さん、僕のパスポート見なかった?」
「はぁ?知るわけないべ」
「だよね」
いやーどこいったかな、なんでないの?
(ここらであやちゃんと父も捜索に加わる)
家中、ガサゴソ。
いや、本当に無いわ。これだけ探してもないって、本当に無いかも。。
3人とも真っ青。
「いつ最後にパスポートに触った?」
けん「いやー、2ヶ月くらい前かな、コンビニでパスポートのカラーコピーしたんだよね、それから記憶はないな」
「どこのコンビニ?」
「覚えてるわけないじゃん、そんなの」
時間はどんどん迫ってくる。
8時発に乗るには6時には札幌駅に着いておかないと間に合わないのに。
ガサゴソ、ガサゴソ。
どうするべー(青)。
パニックです。
いやーもうだめだ、「あやちゃんだけ先に空港に行ってもらっていい?このままじゃ二人とも乗れなくなっちゃう」
「OK、あんた、しっかりやんな。」
という感じで、あやちゃんは父に札幌駅まで送ってもらう。
(あやちゃんは僕を責めることもなく、、、でも少しだけ呆れ顔でした)
捜索を続けるけん。
ガサゴソ。ガサゴソ。
うん、これは、、、、、もう、、、、、この家にはないな。
そう判断できたのが、7時くらい。
チケットがキャンセルにならないように、まずは空港のカウンターで変更可能かをあやちゃんに聞いてもらう。
と、フィンエアーのチケットなので、ここではどうしようもできないとのこと。
そうか、じゃフィンエアーに直接電話、、、
すると、受付時間は9時からとのこと。ええー。
(引き続きパニック状態です)
まぁ、その間に状況を整理しよう。
8時札幌発羽田行きは逃したけど、
11時羽田発ロンドン行きとロンドン発ベルリン行きを変更できれば、全部を買い直すよりは安いだろう。
あと、パスポートを一度失効して、申請し直すと、、、、
ふむふむ7営業日か。17日にチケットを変更してもらえば、ギリギリ乗れるだろうな。
でも、でもね、本人証明書類に免許証や健康保険証って書いてあるけど、これ両方ドイツのやつしか持ってないぞぅ。それで証明になるのかな?ま、行ってみるしかないよな。不安だけど。
それはそうと、警察に落し物として届いてないかな?(今は便利でこれも調べられるのです)
ふむふむ、東区、北区、中央区、パスポートの落し物はここ半年間ないそうです。へー、意外とみんな無くさないんだな。
そうこうしてるうちに9時。フィンエアーに電話。
「あのーチケットを変更したいのですが」
いろいろ手続き、、、
「あれ谷口さん、札幌発羽田行きには乗られていないのですか?」
けん「はい、そうなんです」
「どういった理由からですか?空港には行かれたのですか?無連絡のキャンセルということですか?」
けん、モゴモゴと言い訳。「いやぁ、そのぉ、パスポートがぁ。」「わかりました、そういうことはこちらでは判断できかねないので、本社に判断を仰ぎます。2時間以内にお電話差し上げますね。」
けん「へぇ、わかりましたぁ、なんとかおねげぇしますぅ。」
30分後、フィンエアーから電話。
「本社に確認したところ、変更できるとのことでした、ただ追加料金はかかります」
けん「良かったー、ありがとうございます、本当に助かりました」
ということで、札幌からベルリンまでを変更してもらった。ありがとうございます、これからもフィンエアーです!
ふぅ、これでチケットはOK。
次はパスポートだ。
羽田にいるあやちゃんと話していると、(僕らは携帯電話は持たないので公衆電話)
「カラーコピーしたコンビニだけど、、、確か、道路の東側にある西向きの店だったと思う、、、、」「その後、中央郵便局からそのコピーを送ってるからけんちゃんちから、郵便局までのどこかのコンビニだよ」
という情報が。
けん「でも普通だったら絶対警察に届けるでしょ、警察の落し物は調べたし、お店にまだあるなんてありえないよ。」
あや「でも、調べないよりはやってみた方がいいよ、万が一ってこともあるし」
けん「そんなもんかなぁ」「絶対ねえよ」
それでも、
それでも確かに一理ある、探さないよりは駄目元で探してみよう。
どうせパスポートの申請に行くんだから、寄り道、寄り道。
ということで、実家から中央郵便局の間(2、3キロ)にあるコンビニを白み潰しにまわってみる。
あーあ、郵便局に着いちゃった。なかった。
でも、でも、せっかくだから、どうせだから、違う道を戻ってみるか、、、
と、また家に向かう、、、
やっぱりなかったな、よし申請に行くか、
と思ってると、
最後に
なんだか見覚えのあるローソンが。
「あれ、西向きだし、道路の東側にある。」
近づいてみると、店構えとかコピー機の位置とかに見覚えがある。
ここだ!!絶対ここだ。
まぁ、まず、あるわけないけど聞いてみよう。
女性の店員さんに
「あのぅ、すみませんが、何ヶ月か前にですね、ここのコピー機にですね、パスポートを置き忘れたかもしれないのですが、、まさか、ないですよね、、、。」
店員さん「うーん、、、、、、、。あ、あれかな?、、お名前を聞いていいですか?」
と行って店の奥へ。
けん「あれって、、、あれ、、、、って、、まさか」
店員さんが出てきて「これですか?」と赤いパスポートを。
けん、おそるおそる表紙を開いてみる、、、、そこには何度も見た僕の顔写真。
「あったー!!これです!!僕です!!いやーびっくり!!えー!!今日の朝、飛行機に乗るときに初めて無いのに気づいて。。」
(周りのお客さんはその声にもっとびっくりしていた)
店員さん申し訳なさそうに「警察に届けようかとも迷ったんですけど、、、、」
けん「いいんです!とっておいてくださっただけでもう、、感謝です、ありがとうございました!」
信じられねーっ!
いや、もう奇跡に思えました。
なんてったって、このパスポートにはドイツの永住ヴィザが貼ってあって、これをまた取り直すことを考えるとゾッとします。
自分のパスポートなのに、輝いて見えました。
実家に帰り、その晩は父とお祝い!(なんのお祝い?って感じだけど、いいじゃない)
2軒目では、酔っ払って、今日の武勇伝をマスターに聞かせる。
調子乗ってカラオケまで歌ってしまった。
次の日、酔いも覚めて、考える。
パスポートは大事にしなくちゃいけない。ということ。
皆さんも気をつけてください。
ちなみに、8月8日に帰る、とみんなに言っていた手前、恥ずかしいので17日までは極力、家でじっとしてました。
○キャンプ
忙しかったけど、この土日だけは死守しました。
楽しみにしていたキャンプ。滝川のキャンプ場に連れて行ってもらいました。
のぶ、たけ、まり、くど、けん、あや、というメンツ。
彼らのキャンプはこだわりおしゃれキャンプ。
とにかく美味しいです!
飲んで食べて、また飲んで。
圧巻はくどちゃんの生き物ハンティング。
ミヤマクワガタのオス、アカ足クワガタのメス、蝉、でかいカエル、シオカラトンボ、アゲハチョウの乱れ飛び、
なんでもござれですっかり興奮。
蛍まで見たしね。
すっかり癒されて帰って来ました。
また連れてってね。
7月
○中丿沢の工場での彫刻組み立て
彫刻の高さは7mあるので背の高い工場でないと組み立てられない。
ということで札幌中丿沢にある工場での組み立て。
しっかりと彫刻の形に集中しなければいけないのだけど、
何せ小さな珍客が多い。(虫です)
しかも床に置いてあるパーツを持ち上げると、そこにいる、って感じなので結構ドキッとします。勝手に潰れてるのもいっぱいいるし。
カラスが騒いでるので観に行ってみると、イタチがいたりして、楽しかったけど。
○熊谷さんと釣りに行く
前の日に会って、明日釣りに行くというので、急遽一緒に連れてってもらう。
美しい川、蝶、
そして、ニジマス!!
(31センチでした)
もう、癒されます。
撮影はあやちゃん
6月
札幌着、8月まで僕の活動を代表するであろう作品の制作と設置です。
でも、その過程はあまりにも、あまりにも書くことが多いので諦めます。
すみません、僕はそんな人間です。
というか、仕事の話なんか聞かされてもねぇ、
皆さんも困るでしょ。
そして
たくさんの方の協力で、
本当にたくさんの方の知恵で、
7月末に無事、出来上がりました。
何年経っても、何十年経っても、僕の代表作だと思います。
藤倉翼さんに撮ってもらった写真です。
○あやちゃんの両親に誘ってもらって登山へ。
一緒に行った方々、みんな山菜に詳しく、みっちり初歩から教えてもらう。
登るの4、山菜6、くらいで夢中になって採る。
何ていう名前の山に登ったのかも覚えていません。
そのぶん、山菜の方はしっかり覚えました。
たらんぼ、アイヌネギ、たけのこ、よもぎ、うど、あずき菜、
下処理の仕方も教えてもらって、
家に帰ったら天ぷらパーティーでした。
5月ベルリン
○ネズミ騒動の終着!!
天井裏でチューチューがうるさくて、いつも目がさめる。
というかネズミが群れになって、徘徊してるのを想像すると、
とても気分が悪い。
よーし、こうなったら。と害獣駆除の方にきてもらう。
約束の日、「さーて、ネズミはどこにいるんだい?」とさっそうと登場した彼。
けん「いや、ネズミは家の中にはまだ入ってなくて音で悩まされてるんです、寝室の、ほら、あの辺り」
彼「でも穴がないじゃん」
けん「穴はないよ」
彼「天井もしっかりしてるし」
けん「でも毎晩うるさいんだっつーの」
彼「でもネズミかどうかもわからないんなら、何もできないよ」
けん「うーん、確かに、、、確証は何もないなぁ」
彼はしばらく、調べてくれる。「これはもう天井に大きな穴をぶち開けないとわからないよ、大工事だよぅ、大変だよぅ」
けん「うー、わかった、わかったよ、もう少し様子を見て考えるから、またきてね、それじゃ明日から良い週末を」
彼「へへ、実はこの週末、、俺の結婚式なんだ。」
けん「はぁ?こっちはうるさくて結婚式どころじゃないんですけど」、、、とは言えない。
けん「それはおめでとう、楽しんでね、ハネムーンも」
彼「ハネムーンから帰ってきたらまた寄るよ、チャオ」
ちっ。
どうしたもんか。
証拠がないんだよな、音だけだから。
よーし、だったら俺が証拠を掴んでやろうじゃないか。
いきり立つけんは、翌朝、なんとか証拠を、と朝3時からホシを張りました。
決まって朝3時から4時の間にマンション4階の外壁から音が聞こえる。
だったら、外から侵入するその瞬間の写真を撮ればいいのさ。
冴えてるぜ。
マンションの5階を道路の向かい側から望遠レンズで狙う。
1階の怪しいバー(絶対マネーウォッシュしてる)からは用心棒見たいのが入り口に出て来て僕をうかがっている。
別にあなたたちを撮ってるわけじゃないんだけど、、、
確かに僕、めっちゃ怪しいね。
あなた方より、怪しいかもね。
でもネズミに腹はかえられない。
望遠レンズを4階に向け、何か動くものはないかと狙い続ける。(気分は刑事、いや動物写真家か)
しばらくして、、
何かが動いた気がする、、
小さなものが壁の隙間に出たり入ったりしている!
出たな、チュー太郎!
カシャカシャ、カシャ!(気分はパパラッチ)
よし、撮ったぞぅ!
早速、画像を確認。
最大の大きさにしてみると、、、、
ほら、チューが写ってる!!
ん、いや、よくみると、、、チューじゃない、、、、
これは、、、チュンだ!チュン子ちゃんだ!
なんと
スズメでした。
しばらくは、それを信じられないけん。
えー、えー、スズメ?
なんでスズメがあんな大きな音を?
?
?
(あとでよく考えたけど、スズメがトタン板に触れる音が、壁の隙間で反響されるのだと思います。)
なんだか、とっても、とっても拍子抜け。
ネズミだ、ネズミだって騒いでたのも恥ずかしくなってきた。
だってねー、一文字違いだけど、チューとチュンじゃねー。
印象に大きな違いがあるよねー。
でっかいドブネズミみたいのが天井裏を這いずり回ってる映像と、
可愛いスズメがこじんまりとマイホームをつくってるのとじゃ、
破壊力が違うよねー。
まー、
スズメならいっか、
さっ、帰って寝よ。
その日からぐっすりと眠れるけんでした。
4月
いつの間にか、春が来る。来ていた。
結構よく人に会った。
閉じる生活を目指していたのでめずらしい。
だいぶ自分のペースが確立されてきた気もするし、そろそろ開くことがあってもいいんじゃないか、と思えています。
○クリスティーネの庭
僕らの税理士さんクリスティーネのベルリン郊外のお庭へ。
いやーワイルドガーデン、なんとも癒される。
話が盛り上がって、来年からは僕らも庭の一角を借りて好きなものを植えよう!ということになってます。
立派なバーベキュー場もあるし、パーフェクト。
そんな中、クリスティーネお気に入りのシジュウカラが巣を作っている巣箱で事件が。
せっせ、せっせと餌を運ぶ両親、
がちょっと留守にした一瞬、
どこからかアカゲラが飛んで来て、巣箱の穴に顔を突っ込んでゴソゴソしている。
みんなが、えっ、えっ、と言っている間に顔を出したアカゲラのクチバシにはなんとヒナが。。。。
アカゲラさんはヒナをくわえたままどっかに飛んでいきました。
クリスティーネはしばらく、キツツキショックに呆然。
かわいそうだった、、、。
○蹴鞠
リフティングボールという小さな(直径12センチ)サッカーボールを買いました。
走ってるだけじゃなく、もう少しスポーツらしいこともしたくって。
夕方、ビールの前に公園で練習してます。今のところ、あやちゃん9回、僕は40回くらいです。
○ライクスミュージアム。
オランダ、アムステルダムにある国立美術館です。
手塚さんから紹介してもらったキュレーターさんが、僕の作品を気に入ってくれ10月から展示することになりました。誇りに思います。
○ロンドン
3月まで香港彫刻につきっきりだったけど、やっとまたロンドン彫刻に取り組み始められる。嬉しい。
札幌の東興株式会社さんに特注の台座もつくってもらいました。
この彫刻には自分の持てる力すべてを注ぎ込んでみたい、と延べ2年間に渡って取り組んできました。
写真は岩元大介さんです。
3月
○香港へ。
前日に予約しておいた大きなタクシーが迎えに来ない。
ほんとベルリンらしい。
電話しても、しらーっと、じゃぁ今から行くよ、だって。
でかいバンじゃないとだめだからねっ、としつこく言ってるのに来たのはバンじゃない。
こんな大きさのじゃ、載るわけないじゃん、
と思ってると、荷物だけ無理矢理載せ、助手席に彩ちゃん。
いや、僕は?どこに?
仕方ないからタクシーの床に転がされ、その上に彫刻を。あべこべだ。
運転手さんも、こんなの初めてだ、と運転中ずっと笑ってるしね。
苦しかった。
それでもなんとか香港に、そして宿に着く。
○アトリエ訪問
ふっふっふ。なんと言っても今回のハイライトは、、、
アトリエ訪問!
僕がひそかに尊敬している(ばれてるかも)美術家のアトリエを訪問させてもらう。
作家としての姿勢が、何よりも勉強になる。
何から何まで新鮮、そして僕の知らない広い世界があることを知れました。
超えるのは無理かもしれないけど、、、次はどっかの展覧会で一緒になれますように。
○ギャラリー巡り。
世界のトップギャラリーが集まりしのぎを削っているここ香港。
つくってもらったリストを元に、それらを肌で感じる。
もう、ビジネスの桁が違いました。
だからその分、みんな生きるか死ぬかの本気。
甘さなんてあったら、一瞬で喰われてしまうんだろうな。
○トレッキング
さあ、これだけアートを観たんだから、もういいでしょう。
飛び出せ、海へ山へ、
トレイルランをかじったり、
砂浜でチャプチャプしたり。
もう最高!
3日くらいは都会から逃げました。
でも南国の日射しは北海道生まれの僕には強過ぎる。
日焼けで皮膚がずるむけ。
脱皮中の蛇みたいです。(そうチャドさんにバカにされた)
そう、辰年の僕はここ香港で蛇から龍に生まれ変わるのです、、
??
さなぎから蝶だったらわかるけど、
蛇の成虫って龍だっけ?
○エイプリルフール、
に香港で彩ちゃんがついた嘘。
ターゲットはゆうきとゆきこ。
熟考を重ねた彩ちゃんが選んだのは、、、、
「アートフェア会場でデーモン小暮を見たよ!」
という、どうしようもない嘘。
よりによって
そんなしょうもない嘘、どうすんの、と思ってたら、
見事に引っかかる、ゆきゆきコンビ。
○アートフェア
そうそう、今回はこのために香港に来たんだった。
僕が今ここ香港にいるのも山本ゆうき君に台北のギャラリーを紹介してもらったから。
ハンクは、とても広いブースを借り、
チャドさん、スペンサー君がフェア中、ハンクをサポートする。
今回は、じっくり一週間彼らの仕事ぶりをみせてもらったけど、
もう5つ星!
とても忍耐強く、かつ的確にお客さんに対応してくれます。
(それにしても山本くんの売れっぷりはすごかった)
最後の晩餐は、香港一という評判のレストラン。
ハンクの上司という方も来ていて、なんか桁の違う話をしてくれました。
いやぁ、なんとか結果も出て、本当に満足できる滞在でした。
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春に向かおう
http://hecomi.exblog.jp/238465430/
2018-04-17T01:31:00+09:00
2018-04-17T01:31:10+09:00
2018-04-17T01:31:10+09:00
hecomi-study
未分類
どっぷり制作です。
3月に香港に行くのでその準備です。
ちなみに今回はアクション映画の撮影だけではありません。
1月、けんだけ一週間札幌へ。
本郷新記念札幌彫刻賞の作品撤去、
そして
札幌でとても大きな仕事をやらせて頂くことになり、そのミーティングと現場視察です。
頼もしい方々に支えてもらい、幸せな野郎です、ぼくは。
○モンベルのズボン。
あまりにも気に入り過ぎた、モンベルのズボン、全く同じのをもう一つ買う。
モンベルは本当にいいメーカーです。
僕なんかは服を1回着ると1週間くらい着続けるのだけど、(着続けるな)
モンベルだけは一向にへたれない。
○2足のスニーカーとサッカーボール。
まだ寒いけど、この歳になってもう一回サッカーを始めようと思います。
ジョギングだけだと、なんだか物足りないし、もともと身体を動かすことは大好きですし。
サッカーシューズとボール(小さいリフティングボールというやつ)、
そして新しく買って気に入ったナイキのジョギングシューズの、全く同じヤツをもう一つ。
やべぇ、いくら何でも買い過ぎかな。
日本はモノがよくて安いんだからしょうがないよな。
あやちゃんになんて言おうかな。
福袋が当った、びっくりした、とか嘘つこうかな。
○帰りの飛行機、
チェックインも終え、
えがったえがった、と歩いていると、
恒例の
谷口様、谷口さまぁ、という声が背後から。
はい、今回はいったいなんでございましょうか!
と張り切っていくと、、、、
「はい、お客さまのスーツケースに凹みがありまして、、、」
けん「はい、凹み彫刻入ってますよ」とは言わない。
「ちょっと大きな凹みがありまして、、、」
けん「はいはい、確かに前から尋常じゃないくらい凹んでます。」
なるほど、最初から凹んでました、ってやつにサインするやつだ。
そんなことならいくらでもしますよ、自分の名前書くだけなんだから。
あなたのシャツにも書きましょうか?
○名古屋
札幌から飛んだは飛んだけど雪で名古屋に一泊足止め。
空港のカウンターで働く航空会社の人は謝まりっぱなしでかわいそうだ。
あなた方はひとつも悪くはない。
悪いのは雪なのにね。
「名古屋は久しぶりなので楽しみですぅ」と言っておく。
○凹みダイアグラミング(diagraming) という新シリーズ。
なんかいろんな、きっかけで辿り着いた、まだ実験段階の作品です。
○めずらしく彩ちゃんからの指摘。
香港彫刻のじゃばら部分が強すぎるとのこと。
えーまじぃ、いいと思うんだけどなぁ。
でも、村上春樹さんも奥さんに「ここの文章がちょっと、、」と言われたら、もう一度考え直すって言ってたし。
とりあえずやり直してみる。
下の写真がその彫刻です。
はるかに良くなりました。
○オランダ司法省からウィレムと奥様が遊びに来て飲む。
あの、彫刻はまだ嫌われていないと聞いて嬉しかった。
心配してたんだよな、でかすぎたかなぁ、とか。
○ねずみの復讐。
去年、札幌で一匹のかわいいネズミを手にかけました。
人様に迷惑をかけるのでやむなくでした。
昇天させた後に、遠くに連れてって逃がせばよかった、と後悔しました。(懺悔調)
しかし僕は、巡り巡って、はるか大陸を超えたここベルリンで、その罪を償うこととなったのです。
僕はこれでもとても神経質で、寝ていてもちょっとした音で目が覚めます。
そしてある時から、真夜中の天井裏の奇妙な音が気になり始めました。
最初は人の動く音に聞こえていたのです。(怪談調)
ところが人の発する音にしては違和感がある。
これは鳩が巣をつくったかな、まあ、繁殖期でそわそわしているのかな。
と思っていました。
でもな、音は決まって朝3時から4時の間に聞こえて来る。
鳩だって鳥目だし、そんな時間に活動しないよな。
じゃぁ一体なんだ、、。
上に住んでる人が早朝から腕立て伏せ??いやいや、彼はガリガリでそんなことやるようなタイプに見えない。
もしや、、、
蟹?
な、訳も無い。
トコトコトコ、トコトコトコ、、
という足音、、、
ははぁ、奴らですね。
チューチュー軍団が仇を取りにやってきたのだ!
どうしようか、、
家には入って来ないけど、毎晩うるさいしな。
策はまだないけどどうにかします。
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エゴはひとつにしよう キャンペーン
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2018-01-09T01:53:00+09:00
2018-01-09T02:05:26+09:00
2018-01-09T01:53:46+09:00
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未分類
今年も皆様に凹みが訪れませんように。
そして僕には今まで以上に、お手柔らかにお願い致します。(甘やかすくらいでちょうどいいです)
さて、ベルリン凹み本舗、(そんな名前だったっけ?)
今年の抱負は、、
気持ち(時間とお金)にゆとりのあるこんな年だからこそできることを高める、
具体的には、作品展示全般に関わる考え方を、もう一歩進めること。
にします。
ありゃー、けん坊が真面目なこと言ってる、頭でも打ったんじゃないか、、、という声が聞こえていますよ、みなさん。
大丈夫です、頭は痛いけど二日酔いだと思います。
それでは、2018年も張り切っていきましょう。
年末。
さて、今年も残りわずか、
やり残したことをやりきるのか、
それとも新年に力を蓄えるのか。
はたまた、いつも通りチャラチャラ暮らすのか、
悩みどころですね。
どうしようかな、
来年に向けてチャラチャラしたいとこだけど、だけど、着実に準備したいです。
今だからできることがあるはず。
2018年は、なんだかゆっくりできるのかな、くらいに思ってたけど、40歳前半働きざかり、そうはいくはずもない。当たり前だ。
望むところだ。いろんな展示に挑戦してみたいです。
さて、11月、と12月。
○札幌滞在
11月に札幌に帰る機会がありました。
2週間ほどですが、しっかり楽しんできました。
それにしても札幌って大都会ですよね。(けっこうみんな知らないけど)
一応、日本に属していますが、日本の中でもアジアっぽさがない、北ヨーロッパに近い気がしています。(特に自然はそっくりそのまま)アジアからの
観光客もそれを目当てにやって来るんだろう。
ちなみにあやちゃんの夢は北海道独立、本気でいろいろ可能性を考えています。だって十分やっていけそうだし。
もちろん独立の際は彼女が大統領、という風に進めています。
念のためですが、、、縁の深いカタルーニャに影響されたわけではありません。
札幌いいとこ箇条書き。
○その中でも特に食べ物のレベルがすごい。(はぁ、おいしいです)
○老若問わず女性が綺麗。(これは日本のいろんなとこから来た人と話しても一致します、日本一です)(札幌に来たことが無い方は来てみればわかります)(それに比べると我らが男性陣は、、、、、すみません、もうちょっと頑張ります)
○自然が身近。(地下鉄で原始林に行けるんですゼ)
○運転が安全。(これはもう、札幌の冬と密接に繋がります。雪道の怖さを知っているのでみんな運転が穏やか)
○雪景色の美しさったら。。。(言えることはありません。体験してください)雪の反射で明るいし。
○地下街 こんなに地下街が発達してる街って他にあるのかな?
○ずるい人が少ない。
○やさしい友達が遊んでくれる。
○女性が美しい。あ、これもう言ったか。
○う○ちが落ちてない。(ベルリンでは10mおきにほぼ例外無く配置してあります)
あまり好きじゃないところ箇条書き
○雪道は走りづらい。
○碁板の目の道路は便利だけど、ワクワクはしない。
○空港が微妙に遠く感じる。(電車の本数が少ないので座れないし)
○知人に会う可能性があるので、調子に乗ったことはできない。
○冬に適当な靴を履いていると、これ冬靴?って怒られる。(ちゃんと歩けてるからいいのに)
○圧力鍋。
親戚の福永さんに
なんと圧力鍋をプレゼントしてもらう。
なんとかベルリンまで運び、
さあ、料理だ。
初使いは、牛タンでした!
これがうまい、ひと味違う。
その後もぶっ続けで酷使しています。
毎日の買い出し、節約、食料品の使い回しも楽しく、
彩ちゃんにも手を出されたくないくらいです。
気分はすっかり主婦なんです!
○ネズミ騒動。(米騒動?)
テンポラリースペースで制作中のMさん。
彼女の作品素材は稲穂。
ところが毎朝来るたびにその並べてある稲穂が乱れ、お米部分がなくなっている、という。
まー、これはあいつだべや、ということで早速、
彼の(ネズミです)侵入経路を特定する。
ネズミの気持ちになって考えればけっこう簡単です。
ところが、、
Mさんが買ってきたネズミ取り器とトリモチシートになぜか興奮したけんは、
大はしゃぎ。しまいにはちょっとイスに置いといたトリモチシートの上にがっつり座ってしまったとさ。
やっちまったっ
もう塾長も、Mさんも、「大きなネズミがかかった、」と大喜び。ひどいですよね。
ズボンにびっちゃり、びよーんと伸びるトリモチ。
まだ何回かしか履いていない、プーマのお気に入りのジャージ。
とれないし、ズボンを脱いで過ごすしかないので、股引姿でウロウロしてました。
(ちなみに帰りはMさんに車で実家まで送ってもらいました。ただいまー、と言って真冬に股引で帰ってきた40代の息子を見て、父はただ何も言いませんでした)
(「こいつなら何があってもおかしくない、」いや、「あほか、」くらいに思われているのでしょう)
さて話しをネズミに戻します。
侵入経路と思われる位置にねずみ取り器とトリモチシートを仕掛け、仕上げにおつまみに食べてたチキンウィングの骨でも放っておく。
あとは一晩寝てればいいのです。
翌日、案の定、「けんちゃん、なんか変なの入ってるぅ」と電話が。
ほれ、みたことか、と早速回収に出かける。
着いてみると、まぁ、かわいいヤツがかかったな。
有機栽培のお米をたらふく食べたのか、まるまる太って毛並みもいい。
僕が近づくと、いっちょまえに威嚇の声をあげる。
でもその後、声音を変え「勘弁してくだせぇ、お代けん様ぁ、おねげぇしますぅ、もう悪さしませんから」と言っているのもよくわかる。
いやーこんなかわいいのと遊んでると、情が移ってしまう。
その前に、始末させてもらいます。
一番、苦しまないで済む、氷水の中での凍死作戦。
眠ーくなっていつのまにかお亡くなりになる寸法だったが、
けっこう苦しめてしまった。彼の最後は、苦しそうにもがき、ねずみ取り器の檻をガリガリかじって、口元から血を流していた。
ごめんごめん、恨むんなら恨んでくれ。
いいよ、今年はいいことありすぎたし。
○恒例ピンポンパンポーン
さあ、ベルリンに帰る飛行機。
空港でボワーンとしてると、はい、いつもの、
谷口さま、谷口顕一郎さま、○番ゲートへお越し下さい。
はー、もう慣れ過ぎて何とも思わない。
いつもの荷物チェックみたいなもんだ。
というか、飛行機って言うのは呼び出されるものなんですよね?
「はーい、今日はいったい何でしょうかー!」
と張り切ってカウンターへ。
担当の女性「あの、大変申しわけないのですが、、」
「お預かりしたお荷物のサイズが、、、規定より数10センチ大きいのです。」
けん「そうですよね、明らかに大きいですよね。」(だって小さい彫刻5つと、圧力鍋が入ってるんですもの)
担当の女性、恐る恐る、「そこで、お荷物に超過料金が発生してしまいまして。。。。」
けん (しらーっとチェックインはできたけど、やっぱりばれたか)「そうですか」
担当の女性「料金は70ユーロ、日本円で9千円となってしまいますぅー。」
けん「了解ですぅ。今払っちゃっていいですか?」(こんな値段でこの大きさの箱を運べるなら安いもんだ)(150x90x40cmくらい)
担当の女性「もちろんです。本当に申しわけありません。」
けん「いえいえ、申し訳ないのはこっちです、いつもこうなんですぅ、わざわざ来てもらってお手間をかけました」
よかった、よかった。
空港で追加料金を請求されて、えらそうにごねている方々をよく見るけど、
僕は正直、ああはなりたくない。みっともないし。
荷物には規定があってそれを超えているのなら、弁解の余地はない。
とても簡単なことなのにね。
そんなことにエゴを通して満足してるくらいなら、
ただただ、一番大事なこと、自分の作品にだけ、エゴを通して生きていたいです。(それが一番難しいんだけどね、まだ全然できません)
昔から、
ルールとは破るもの、という哲学で生きてきましたが、えへっ、
今はルールとは守るものだ、ということを学んでいる途中です。
(ちょっと前から学び始めた)
そしてそのルールが、自分自身をも守ってくれる局面があるのだとウスウス感じています。
○ベルリンの12月
みんなクリスマスに向けてそわそわし始めます。
中旬ともなると、クリスマス休暇をとり始める人も増え、
まわりも静かになってきます。
ベルリンに住んで10数年になりますが、僕たちはこの時期がけっこう好きになってきました。
なんと言ってもあちこちからの連絡が極端に少なくなります。電話もメールも。特に中旬を過ぎると一般の仕事は極度に進みが遅くなります。
というか仕事になりません。
そりゃそうだ、だってみんな居ないんだもの。
そう、こんな時はただ黙って、自分の仕事に集中すればいいのです。
というか集中できる数少ないチャンスなのです。
ということで、優先事項をさしおいて、
途中までやって1年以上ほったらかしてあった大作に再度挑んでいます。
(去年のロンドンのアートフェアに出す予定だったけど、ギャラリーからそんなでかいのいらない、と言われたやつです)
久しぶりに各パーツをみたら、よくここまでやったな、という感慨が生まれた。すでにものすごい作業量をこなしてたんだな。
ここまでやってたんなら、最後までいってあげないと。
最近はがつんとしたの作ってないし。
ふと考えてみると、展示の予定が全くない作品を、思い切り、半年でも1年でも好きなだけ時間をかけて納得のいくまでつくる、ということは今までやったことがなかったかも。
いやー、これは危なかったな。これじゃ、自分の作品が秘めている可能性に自分でふたをしてるようなもんだ。(ちゃんと賢くやれる人もいるのはわかりますが僕は違います)
今までは、そんな気持ちのゆとりもなかったし、まぁしょうがないけど、今回、今回だけは、この子については思い切りやってみたい。今、それをしないと何かを失う気がする。。。。
というようなことを彩ちゃんに話したら、
「よし、その言葉が聞きたかった、あたいが他のやつを片付けてやるき、あんた、自分のこと、しっかりやんな!」
というようなことを言ってもらった。(表現はちょっとねじれてるけど)
そうですか、
いいんですかい、
じゃあそろそろ、
ほんとの芸術ってもん、つくってみっか。
写真はロンドンの街シリーズ パート3
これを3倍の大きさにしたものを制作しています
]]>
彫刻が落ちるときの音って知ってますか?
http://hecomi.exblog.jp/237949246/
2017-11-04T01:47:00+09:00
2017-11-04T01:47:29+09:00
2017-11-04T01:47:29+09:00
hecomi-study
未分類
夏時間も終わり、ベルリンは16時でほぼ真っ暗。
滅入る季節の始まりです!皆様、気をつけてくださいね。
(凹みなんてものをやっているので、僕はこういう季節はけっこう得意だけど)
○ロッテルダムの個展搬出。
ひどい宿。(ミリアムが予約したんだけど、要はただの○れこみ宿)
ひどい天気。(涙がにじんでくる風でした)
でもいろんな人に会えて、
ひとつ、実感を持って確信できたこと。
いいものをつくる。
これだけが美術家にとって全てだということです。
いいものさえあれば、僕なんかいなくても、(いない方がいいことの方が多い)、作品が勝手に歩きまわるんだな、と。どんな宣伝なんかより効果的ですよ。
厳密に言えば作品は歩きまわらないけど、それを観た人達の心を捉えることが出来れば、その人達が感じた紅葉、、高揚は想像もつかないところにまで運ばれていくのです。本当に実感しました。
だけど、
いい作品さえつくればいい、とは言ってみるものの、それは想像よりもはるかに、いや、美術家にとってはどんなことよりも難しいことです。
いろんなそれに反対する物事や意見に振り回されるし、(最近はもう大丈夫だけど)
いい作品をつくるには恐ろしく時間がかかるし、
まず自分という手強い敵になかなか勝てないし、
それにもめげずに、
いい作品さえつくればいいのだ、と、ただそれだけを信じて何年も何十年も進み続けることは、、、、言葉は悪いけど相当のバカにしかできないんじゃないかな。
幸い、僕にはその類い稀なバカさがしっかりと備わっておりまして。
いろいろと慌ただしかったので、今、オランダから戻ってやっと得た静かな時間、早くつくりたいな、とただ思えています。
9月と10月
やっとけりがつきました。
なにかって?
今年の展示予定を無事こなせたようです。
今年はあちこちで個展を7つやりました。(規模、形式は様々だけど)
その最後の3つがとんとんとん、とやってきて
でもなんとか無事に始まりました。
○9月、ベルリン個展。
住んでいるのだけど、ベルリンで作品を露出することは少ない。
個展は2010年以来かも。
どうしてだろう、
いいのです、この街では、死んだふりをしとくのです。
さて会場はベルリン郊外の病院。
牧歌的な風景の中にあるし、
搬入日(オープニングの日)はピクニック気分。
お重に豪華なお弁当を詰めて、
秋にしては暖かい日射しの中、のんびりと病院へ。
写真20点と、彫刻6点、
前もってアルミンに作品も運んでもらってたし、
まぁ、2時間もあれば余裕でしょ。
ってな感じで。
いやー、
ひどい目に遭いましたね、120%自分の責任だけど。
展示会場の壁は釘等一切打てず、天井からの展示ワイヤーで作品を吊るのだけど、
まーっ、これが難しかった、し、ハプニング続出。(忘れたいので書きません)
12時から始めたのだけど、最初の一点を吊るのに1時間近くかかった。
(オープニングは16時半からです)
あれ、これちょっといくらなんでも時間的にやばくね、、?
けん、あや真っ青、冷や汗。
しかもこの廊下、すごい人通り。(どこかが不自由な方、オペに向かう外科医さん、もしくは急患の方々なのでめっちゃ気を使う)
いやー、展示場所の下見を日曜日にした僕らがバカ過ぎた。(日曜日は人っ子一人いませんでした)
二人とも泣きたくなったけど、男の子なので、、、?
とにかく超フル回転。
やっとのことで最後の作品を据えたとたん、
最初のお客さん、みきさんと手塚さんが来てくれた。
時計をみると16時32分くらい。
いやー、これだけてんぱったのは久しぶりでした。
○9月、オランダ個展。
こっちもまた、ヘロヘロでした。
搬入前、
二人とも、原因不明の風邪。
UPS(作品を運んでくれる運送会社)が箱を取りにこない。(こんなことは一度もなかった)
飛行機が遅れる、深夜1時にチェックイン。
スーツケースが壊れる。
送った彫刻のパーツが曲がる。
頼みの綱のフイドもひどい風邪。
マンハイムのセバスチャンから送ってもらった、出品予定彫刻が届かない。
ミリアムとの喧嘩、だって掃除が全然なってないんだもの。
まあ僕も謝ったし、彼女も謝ってくれた。
滞在期間中、常にひどい天気。
楽しみにしていたホテルニューヨークが満席。
宿に電話の充電器を忘れる。
なんとメインの吊り彫刻が落ちる。しかも2回。2カ所壊れる。
重い彫刻が落ちる時の音って、けっこうゾッとするものですよ。
文字では表現できないけど、2度と聴きたくない。
1回目は、彫刻を吊るワイヤーの根元のフックごとごそっと抜け、
ドーーンっっっと落ちた。
これはやばい、ということで、フック、ワイヤー全て交換し、もう大丈夫!
我ながらいい出来だ、ちょっと試しに引っ張ってみようかな、とグイグイやってみるがびくともしない。
次にぐいんぐいん揺らし、そして、「あやちゃん見て、こんなに強いよ」と言った瞬間、ドーーーンっっっと落ちた。
あやちゃんも。。。。「んもーーーーぅ!」とあきれ果てるしかなかった。
仕方ないので、
ミリアムの夫、フイドと吊りのワイヤー構造を検討する。
けん「いやいや、そんなことしなくてもこうでいいんだよ」
フイド「いやいや、力学的にここにかかる重さは彫刻の数倍になるんだよ」
けん「そんなわけはない、僕の考えでは、ほら十分強いんだから。今まで何度も吊ってきたんだから。」
フイド「ふー。けん。わかったよ、こんなことは言いたくないけどね、僕は大学で教えていてね、、、しかもその専門はまさに、こういう場合の吊りの力学なんだよ、その僕がこう言ってるんだよ。」
けん えーっ、超専門家じゃん。よくこういう人にえらそうに講義してたもんだ。
なんだかとても恥ずかしくなったけんは、大人しくフイドの意見を取り入れましたとさ。
後からミリアムに聞いたけど、フイドは物理の学部長で、一度に600から900人の生徒に講義する、大先生らしい。
後日、丁寧に吊りの力学を図面で説明してくれました。
オープニング、
いつ彫刻が落ちるか、誰かケガしないか、とかが急に心配になり、あまり落ち着かないままでした。顔が真っ青です。
ロッテルダムで数少ない、よかったこと。
宿が完璧、以前泊まったことのあるヨリーンの家。
ロッテルダム一番のアップルタルトにありつく。
日本のラーメン屋が出来ていて、入ってみたけど大満足。
ホテルニューヨークの対岸に新しい飲み屋を見つける。
新しい展示手法にトライできた。
10年来の知人、シャックリーン、アルターさんが来てくれる。
ベルリン
○税理士さん、クリスティーネとのミーティング。
右目の周りを青く腫らした彼女は、「歩いてたらつまずいて転んじゃって、ぶつけたのよぅ。昨日は痛くて全然動けなかったわ。。うふふ、もう私ったら、、ファニーよね(funny)!」
えーっ、いやいやそれ全然ファニーじゃないよ、大変だったでしょ。大丈夫?
けん、あや、なんて言ったらいいかわからなくなる。
ファニーってそういう時に使う言葉なのかな。
どっちかというと、そういうこと言っているあなたがファニーですよ、クリスティーネさん。
8月
みなさんはどんな8月を過ごしましたか。
こちらはというと、
いうと、
ずいぶんと限界値を押し上げられた気がします。
ロッテルダムの街彫刻のトレース、新素材、
宇部は旧吉部小学校の凹み、
ロッテルダムの世界遺産、ファンネレ工場の凹み彫刻、
そして、札幌の街彫刻用の3度目のトレース、
などなど、これら目下取り組んでいる作品に、それぞれ新しい挑戦をこめることが出来ました。
そしてそれらが、ことごとくうまくいっているような。
(錯覚かもしれないので期待はしないでください)
階段を一段、上がろうとしている感じ。
あとはただそれを続けてごらん。
下は宇部、旧吉部小学校の凹み彫刻。かなり気に入っています。
ご覧の通り、風車を意識してつくりました。
○アジアマーケットで、エビにやられる。
ある日、起きたら、肩がとても痛い。
やーい、四十肩だ、とわんぱく姉さんにいじられるも(なぜか彼女は大喜びだった)
いや、これだけ運動してるのにそんなことはありえない、
と不思議に思っていた。
2日間くらい、原因を考えていたのだけど、、
あっ、あれだ!思いだした!
彩ちゃんと月に1回のアジアマーケットでの買い出し。
うまそうなものがいっぱいあるし、興奮したけんは、
そうだ、彩ちゃんに好物のエビを一杯買ってあげよう、と思い立つ。
袋詰めの冷凍エビが入った巨大冷凍庫に手をつっこみ、これはどうだ、これもよさそうだ、と品定めしていた。
と、大ぶりのいかにもおいしそうなやつが詰まった袋があって、それを引っ張りだそうとする、も重いし、左側の引き戸を開ければいいのに、右側から無理して手を伸ばし引っ張った。でも他のエビに引っかかってなかなか出てこない。こいつらまだ生きてるのか?
今度は頭まで冷凍庫につっこみ、グィッと。
ビキッ!て感じの鈍い痛みが走ったけど、
まあいいや、気のせいだろ、と思うことにした。
そういう顛末でした。
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キングな日々/円を上手に描くこと
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2017-08-05T00:47:00+09:00
2017-08-05T00:47:55+09:00
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やべぇやべぇ。
ろくなことのないブログだ、
なんて思われたら嫌なのでいいニュースから。
8月3日は何を隠そう、
自分の誕生日。それだけでいいことです。
お昼休みに近くの公園に走りにいく。
ついでにペペ(いつもこの公園のベンチに座っていてずいぶんと仲良くなったスペイン人のおじさん)(時々ベンチで一緒に飲む仲)に日本みやげのゆず胡椒を持っていってあげる。
そして「今日、俺の誕生日なんだぜ」と無理矢理、おめでとうを言わせる。
「そうかそうか、誕生日くらい午後は仕事休みにしろよ、ビール買ってやるから」とペペにビールも買わせる。
それもそうだな、今日くらいは昼間っから飲んじゃってもいいよな、あやちゃんも仕事に行ってるからばれないし、、、なんて感じで、一杯始めるけん。
なんだかんだ夕方までちびちびやり、
そして、さあ、彩ちゃんが帰って来る時間。までにはすっかり具合が悪くなっていた。(昼間から飲むと大抵こうなります)
今日はお祝いなので豪勢にラム肉を食べる約束をしたのに、それも忘れてたし。
二人静かにごはんとみそ汁。
はぁ、自分でしけた誕生日にしちゃった、自爆だな、
とトイレにしけこむ。
しばらくして出てくると彩ちゃんが満面の笑顔で、
「けんちゃんの部屋にプレゼントがあるよ」とのこと。
えっなんだべ、花とかかな、
まさかっ、アルマジロとかじゃないだろな、
と、あまり期待せずに僕の部屋に行くとコンピュータが開いている。
ふむふむ、ニューヨークのポロック財団よりメールがあり、
ふむふむ、あんたがお金もらえる人に選ばれたよ、とのこと。
わお!
え、え、すごいタイミング、
完璧な誕生日プレゼントじゃん!
キツネにつままれたような気分で、
何をしたらいいか分からなくなった僕は、
やっぱり、もう一度飲み直すことに決めました。
生まれてきてよかった。
部屋にアルマジロがいなくてよかった。
○ツアー
6月から7月にかけては、
ベルリン-マンハイム-札幌-台北-札幌-ミュンヘン-マンハイム-ベルリンという奇妙なツアーを組みました。
3つの個展と大事な打ち合わせを、一気にこなしてしまおう、というあまり知的とは言えない企みでした。
基本的にはばっちりこなせるよう予定を立てたのだけど、
ただただ、行くところ行くところ想像以上の暑さで、それだけは本当に手こずりました。
これからは、夏だけはおとなしくしてたいな、と思えています。
以下、時系列がぐちゃぐちゃに見えるけど、覚えていることを書きます。
○ベルリンからマンハイムへ。
大部分の作品はベルリンから事前に送っていたのだけど、それでも手持ちでけっこうな荷物、夜逃げ夫婦になる。
今回はマンハイムからベルリンに戻らず、直接日本に行くしその分多かった。
恒例の肩内出血。
さて、今回は運悪く、ヨーロッパに熱波が来ていて、マンハイムも37度ということでした。
まぁ、そのくらいの気温なら、インドでも台湾でも慣れているし、、と思っていたけどそれは大きな間違いでした。
マンハイムでは建物内、ほぼ冷房皆無なのでした。
どんなに暑くても屋内に入ってしまえば大丈夫、的な考えは全く通用しません。
これは相当きついです。
ホテルの部屋は厳しい西陽が当たる最上階、外よりも暑くなっています。(しかも深夜目の前のトラム路線のレールを工事してやがったので轟音で眠れません)
ギャラリーも同じく暑く、
一動作するたびに汗が吹き出るという、かなり過酷な搬入になりました。
3日間に渡って暑さと闘いながら、
それでも少しずつ展示を進め、今までのベスト個展のひとつが出来上がりました。
オープニングの日、ライン河をみに行ったりして、のんびりして過ごす。
暑さはゆるんでいる。
○ユリア
老婦人の、、、いや怒られそうだから貴婦人にしておこう、ユリアさんは10年以上前から僕の作品を持ってくれており、今回もオープニングとクロージングにも来てくれた。
10年前なんてろくなものをつくってなかったし、変なものつかまされたっ、と文句を言いにきたのか、と思いきや、もうひとつ何年も前から狙っていたやつを買いに来たんですって。
ちなみにそんな彼女は昔、作品が壊れたから修理してちょうだい、と大事そうに僕のポケットサイズ彫刻を持ってきたことがある。なんでもどんな旅行に行く時でもスーツケースにその彫刻を忍ばせ、ホテルに着いたら棚の上に置いてくれるそうだ。「あんたのは形を変えれるからいいのよ」といろいろ、彼女なりに楽しんでいるそうです。いろんな方がいろんな理由で作品を持ってくれるけど、そういう話しを聞くのは心から嬉しく、次へのガソリンになるんです。
○札幌へ。
大事なミーティングをこなす。
すばらしい人達に恵まれました。
関わる人達が特別に優秀なので、どんどんものごとがいい方向に、ポジティブに進んでいきます。
みんなかっこええなぁ、と、ボーとしちゃうわたくしです。
とても暑いです。
そしてなんだかいろんな人にあったし、たまにはシャバを離れ、半日、あやちゃんと海に行く。
長—い砂浜(何キロもある)をキャーキャー言って歩くのはとても癒されるものでした。
○アニエスのジャケット。
10数年前にベルギーの空港でなくしたアニエスベーのジャケット。
とても気に入っていたので、買い直そうと思ったけどモデルが古くてもうどこにもない。
10数年後、インターネット上で偶然それをみつけ、即購入。
それが先日、届いたのです!うひょひょ。
○台北。
深夜に到着後、市内に行きチェックイン。
いやぁ、このコントラストはすごい。
この部屋のシンプルさは昔、バックパッカー時代に泊まったインドやタイのホテルに共通する。牢屋っぽさとか、壁の穴にダンボール貼ってるとことか。
深夜に到着したのだけど、この天国(ムンバイ)から地獄感、すごいね、とあやちゃんともども大笑い。
次の日アートフェア会場へ。
札幌の山本雄基くんに紹介してもらったハンクと初めての仕事です。
今回は指示書をつくって全て彼らに展示してもらった個展です。(遠隔個展は初めてです)
たくさんの人が観にきて、
そして眼をキラキラさせて、自分の作品を楽しんでいるのを目の当たりにする。
久々に気持ちよく、そして成功したアートフェアでした。
ハンク、チャド、スペンサーがいてくれたのであっという間に、撤収作業を終える。
あんなに苦労して組み立てたのにね。
台湾式居酒屋へ、無事に終わって打ち上げ。
本当においしい。
3日目、ハンクが運転手さんを手配してくれたので、
ぼくも彩ちゃんも台北で一番やりたかったこと、ハイキング!
No more art please!
陽明山というところに連れていってもらう。
やっぱり自然はいいな。
途中、見たこともない蝶の群れが乱舞する天国に迷い込み暑さも吹き飛ぶ。
山を下りてシャバへ。
足裏マッサージ後、行きつけの蒸しギョウザ屋さんへ。
喉も乾いてたし、ビールもうまい。めったにない100点満点の夜でした。
○ワンカップ。
姉が詳しいのでいろんなおいしい日本酒を飲んできたけど、
実は異国で飲むワンカップの味も格別です、ぼくにとっては。
なぜか沁み入るんです。
僕にとっては日本で飲む大吟醸に匹敵します。
よかばい。
それにしても台湾の人たちは老若男女みんな元気がよく、眼がきらきらしていると思う。みんな希望や目標に向かっているという感じ。
先進国(日本も含む)にありがちな、どん詰まり感もないしね。
将来的にもっともっと伸びる、キャパシティを感じました。
それにしても暑かったけどね。
○札幌に戻る。
毎日たくさんの方に遊んでもらいました。
そんな中、来年、いよいよ、けんとあやのアーティスト名の連名話しも出たし。
それが一番、興奮しました。
○自転車クーラー。
暑い時は家でうじうじしててもだめ。
思い切って野外に飛び出そう!
ぼくも時間をみつけては、数時間のサイクリングをしていました。
こげばこぐほど、風が来るので、実は冷房のない家にいるよりずっと気持ちいいんです。腹も減るしビールもうまいし。
○札幌からミュンヘンへ。
深夜着。
今回泊めてもらうエレンの家で、一足先にドイツに戻っていたあやちゃんと合流。
翌日、早速搬入。
とんとん進めました。(たらたらしてる暇はありません)
ハンブルグのみきさんも駆けつけてくれ、
こじんまりと即席個展、でもいい感じの展示が完成。
札幌と姉妹都市ということで、あやちゃんがすばらしいアイデアを思いつき、そのプレゼンも兼ねた展示です。
パーティーではたくさんのお客さんが、作品を見て高揚してくれました。
おかげで時差も跳ね返すことができました。
○マンハイムへ。
クロージングパーティーと搬出に合わせた訪問です。
セバスティアンの頑張りもあり、しっかりと結果もついてくる。
知り合いも増えたし、パーティーでも楽しく過ごす。
次の日、パッパと搬出。
セバスティアンは最後、「もう時差でヘトヘト、ギャラリーの床で、雑魚寝、昼寝するぅ」とごろついたケンをなだめ、
マンハイム市街を一望できる彼の自宅のすばらしいソファーを提供してくれた。(ビール付き)
ごろついてみるもんだ。
○まるい円。
深夜やっとベルリン我が家着(なんか深夜着ばっかりだけど)。
いやー、
ぐるりと廻って、
持っている力もうまく出せたようだし、
とても意義のあるツアーでした。
気持ちのいい円を描き、すっと閉じることができました。
なんと言っても、職業美術家の安定、という意味で、「これで、この道でよかったんだ、少なくとも間違ってはいなかったんだ」となんだか自信がついた日々でした。
いくつか素敵な話しがあって、やっと水面で息ができる今だから言えるけど、
ぶっちゃけ、作品を売ることだけで食べる、というのはみなさんが想像する以上に難しくそして過酷なことです。
ドイツに来て12年、楽だったことなんてただの一度もありませんでした。
最初の4ヶ月はコンテナに住んでたし。
しょうがないのであちこちから助成金を頂いたりもしました。
そもそも凹み、なんてもので喰っていこうなんて、ほぼ無謀に近いことなんだよな。
だって、道路にできた汚い凹みをお金にかえる職業って聞いたことあります?
普通の人はないはずです。
でもやりたいんだからしょうがないよねぇ。
新しい職業を0から立ち上げる感じなのだけど、
どこを見たって前例はないので、全て手探りになります。
十数年、あやちゃんと一緒に知恵をふりしぼって生きてきました。
その中で失敗なんてごく当然のこと、でも大事なのは1回目は失敗に終わっても、それが絶対に正しい試みだと信じるのなら何度だってやり続ける他ない、ということを最近、学ぶことができました。
同時に、この試みは正しい、と信じ切ることがこれほど難しいのか、とも実感できました。
あともちろん、試みというものをやり続けるのなら、それはやるたびに向上させなくてはいけません。毎回、同じことをしてるんだったら、それこそ先には飢え死にしか待っていません。ハイエナだって食べたくないくらい、干涸びてたりしてね。
いろんな人の話しも聞いたけど、結局は自分たちの頭で考えて、生活と制作の哲学をつくっていく他、道はない、ということも学びました。それには人と会うことをあえて断ったベルリンでの閉じた生活が役に立ちました。(彩ちゃんに教わりました)社交好きの僕としては最初、鎖国は難しかったけど、作品の密度が目にみえて高まってくるのを実感するようになってからは、自分から進んで閉じることができました。(もちろん閉じる意義はごく一部の職業にしかあてはまらないとは思っていますが。)
ひとつのことを真剣に望むのなら、他の大切なことを2つも3つも犠牲にしなくちゃいけないんだろうな。
あれ、なんでこんな話しになったかというと、、、、
なんでだろ。
今なら自信と実感を持って言えるからかな。
5月です。
英語でマーチです。
嘘です。
桜もすっかり散り、
公園のリス達は、冬に備えて餌の確保に大忙しです。(それにはまだ早すぎます)
○ムンバイ
さて、5月下旬、インドはムンバイに行ってきました。
インドが誇る大都市、人口は2300万人くらい(おえっ)、ハリウッドをもじったボリウッドと呼ばれるインド映画の本拠地でもあります。
新しく建設される複合施設にあるオフィスビルのロビーに設置する彫刻の最初の打ち合わせです。
ミーティングの日程が決まりチケットが送られていたのが出発の2日前。
それまでは日程もなんとなくしか知らされていませんでした。
どうなることやら。
初日、深夜に着いたのだけど、
えー、この暑さ、なんというか、もう暴力の域に達していません?
(後から聞いたけど、ムンバイでも一番暑い時期ですって。道理で観光客をほぼ全く見なかったわけだ)
なぜか、お抱え運転手付きで5つ星ホテルにチェックインするけんとあや。
(二人は滞在の最後まで、高級ぶりに慣れることができなかった)
2日目、朝食時、ミュンヘンから来たコーディネーターのエレンと合流、さっそく彫刻設置現場へ。
でかっ。広っ。そして暑っ。
でも僕が担当するビルのロビーは心地よいサイズ。
これなら大丈夫そう。
3日目、今日は朝からシティツアー。
運転手さんと、優秀なガイドさんを手配してくれていた。
短い時間で、街をけっこう深く観れた。こういうのいいな、今度またやってみよう。
4日目、今日はいよいよ初顔合わせ。
ボスのマニッシュさんがバーン、と登場。
いろいろと意志の疎通がとれ、
うまく動き出す。
マダムと言われて喜んでいるあやちゃん。
いろんな金具とか工具とかを売っているマーケットへ。
マニッシュが彼の部下を二人、同伴させてくれる。
他の彫刻に使いたいな、と思う金具とかも、全部彼らが買ってくれた。(何度も断ったのだけど)
ホテルに戻って、エレンと乾杯。よかったね。
夜、運転手さんと空港に。ベルリンに帰る。
キングな日々でした。
○クリスティーネとの友情。
彼女は僕らの税理士さん。
その仕事に留まらず、いろいろなアドバイスや、難しい案件にも親身になって相談にのってくれている。
そんな彼女に作品を持ってもらったのをきっかけに、(彼女の家の前でみつけた凹み)食事に招待しあったり、花見に行ったり、とても仲良くなった。
彼女の友達のアルミンやジョゼフも紹介され、なぜか今度アルミン(外科医さん)の働く病院でも個展をすることになったり。
みんな激務の中で、それでもなんとか自分の時間をつくり、それを楽しんでいるのが魅力的です。
彼らのようにいいオーラを持った人間になりたい。
○KRAG
5月のある木曜日、あやちゃんは仕事の飲み会。
一応誘ってもらったけど、僕にはもっともっと大事なことがある。
やらなければならないことがある!
そう、それは、KRAG。
さあこの意味は何でしょう?どこかの保険会社かな?
ピンポーン。
「けんはいつでも、立派に、あきらめずに、がんばる」
ブー。
正解は、
唐揚げ。でした!
別にあやちゃんが居ないのを、見計らわなくてもいいのだけど、
なぜか、
こういうタイミングになってしまいます。
僕のレシピでじっくり漬け込んで、(コリアンダーと豆板醤をドッポリ入れる)
からりと揚げる。
それをすばやくビールで流し込んで、、
うまい、うまくないはずがない!
たぶん20個は食べただろう。
しかもおつまみは、日本ハムが球団タイ記録の一試合7本塁打を打った映像。
最高でした!
次の日、金曜日には子羊の骨付き肉という、我が家一番のごちそうだったのだけど、
前の日に飲み会でウイスキーを飲み過ぎた彩ちゃんは2本しか食べることができず。
しめた!
ぼくは残った7本をたいらげたのであった。
そしてもちろん、その2日間に渡る暴飲暴食の代償は高くつくのであった。
土曜日、あやちゃんの同僚、韓国人のカップルを招待し飲んだのだけど、それがとどめになり、
日曜日の朝、目が覚めるとなんだか身体の具合が。。。
なんとか朝食(といってもお茶漬けだけ)を食べたけど、しばらくして全て戻す。なんだろう、この具合の悪さ、何か変なモノにあたったか、それとも何かの祟りか。
そしてついに二人で導きだした結論は、
(結論を導きだすのは案外簡単でした)
はい、「胃の疲れ」、これでした。
もちろん、とても仕事ができる状態ではありませんでしたが、
あやちゃんの「ちっ、何やってんだか、仕事になんないじゃないっ」的、きつい視線にも耐え、
夕方、なんとか持ち直す。
えへへ、
と照れ笑いするしかありませんでした。
(いいオーラを持つ日は遠そうです)
○トムクルーズ訪問
マンハイムのギャラリスト、セバスティアンくんがアトリエに来る。
個展に出品する彫刻を選んでもらう。
ちなみにぼくのビジネスパートナーはイケメン揃いです。
セバスティアンはトムクルーズ、
バルセロナのホセアントニオはジョージクルーニー、
台北のハンクは堤真一、
さらに僕を応援してくれているハンブルグのお客さんはキアヌリーブス、
ムンバイのマニッシュも超セクシーだし、
最強の豪華俳優陣となっています。
いい映画撮れるんじゃないかな、
みんなギャラ無しでやってくれそうだし。
あ、そうだ、ヘコウッドとかいう配給会社名にしよう。
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凹みハウス
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2017-05-31T00:27:00+09:00
2017-05-31T00:27:41+09:00
2017-05-31T00:27:41+09:00
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3月と4月をくっつけちゃいます。
獅子座特有の自分ルール(要は自己中)を採用します。
力を静かに蓄えるような、
地味だけど、でもとても、とても有意義な日々でした。
3月3日、
もう一回、秋吉台国際芸術村に戻る。
前回来てみて、もう勝手がわかっているので、何事にもあまり手こずらない。
慣れてしまえば、とっても居心地がいいです。なにせ、余るほどの大自然!
そしてインターネットが使えないのも慣れるといいものです。メリハリがつくというか。
トーク(みなさん、よく凹みの話しなんぞ聞いてくれました)、
下関(学芸員さんの休みの日にみんなで連れていってもらいました)、
搬出(こんないいスペースで見れることはめったにないと思うので少ししんみりしました)、
なども、ちゃっちゃっと済ませて、あとは惚けて暮らしていました。
住まいから何から全部提供してもらって、
さらにちゃっかり、個人的なプリントアウトまでさせてもらう。
(だって120cm幅で綺麗に出せるプリンタがあるんですもの、これはベルリンに帰ってからとても助かりました)
山口県の人達はなんだかとても気持ちがいいです。
偉人が多いのもわかる。
もう、ほんとに、山口のみなさん、
全日本・人の温かさ大賞なんていうものがあったら、あなたにあげる!
さて秋吉台のあと札幌へ。
いろんな人に遊んでもらい、
おいしいものもたらふく食べて充電。
ある日、札幌、武田くんからのアドバイス。(彼はよく、朝、仕事に行く前に寄ってくれてコーヒーを飲んでいく)
「ケンくん、たまに創らないでみるのもいいよ。リフレッシュになって、逆に新しいアイデアとか、意欲が増すよ」
ということ。
うん、彼がそう言うんならそうなのだろう。
傾向も似てるし。
それにどうせ焦ったって、残りの札幌滞在ではたいしたものはつくれないし。
刺身たらふく喰って、WBCでもみてようっと。
ということで2週間の札幌滞在中は、ほんとに何もつくりませんでした。
せいぜい野鳥の餌箱の修理くらいかな。
山口県に滞在してたのと合わせると、
一ヶ月強、作品をつくりませんでした。
こんなにつくらないのは、たぶん20年ぶりくらいです。
吉と出るか、狂、、、じゃなくて凶とでるか。
札幌滞在も終わり、
さあ、ベルリンに戻る国際便。
で、再び恐怖の、
谷口さま、谷口ケンイチロウさま、
と呼び出されます。
またぁ?今回は時間も間違いないし。
やべ、 象牙隠してたの、ばれたかな。
もうすでにゲート付近は込み合ってるし、こういうのけっこう恥ずかしいんだよな、みんなに見られるし。
「谷口ですが、何でしょうか?」
「スーツケースの中に、確認できないものがあるので開けさせてもらっていいでしょうか?」とのことでした。
えー、鮭フレークとか、大量の梅干しとか、ストリングチーズとか、魚肉ソーセージとか、缶詰とか取られるのー?。
ベルリンでは飢えた妻が凍える巣穴で待っているというのにぃ。
テンション下がるなー。
もうどうにでもなりやがれ。
「どうぞ、開けて調べてください」
「カメラで見た際、何か、大量の金属が入っているようなんですが。。」係員
「はぁ、金属。それなら、ステンレスのスペーサーで100本近く入っていますよ。」けん(彫刻に使うとか言うと長くなるので何も言わない)
「確認させてもらっていいでしょうか?」係員
「どうぞどうぞ」けん(なんだ梅干しじゃなくてそっちの方か)
じゃらじゃらとものすごく重い梱包を取り出す。(これだけで10キロ近くある)
「別に武器とかじゃないんですよー」けん(でも確かに長さ15センチで径が2センチくらいの中空なので大量の銃身っぽいね)
「なるほど確認致しました、
問題ありませんでした、
今回はお手間をとらせて大変申しわけありませんでした」
と何度も何度もお詫びをされる。
「え、いえいえ、こちらこそ、変なもの入れてすみません。僕はもうこういうの慣れっこなんで全然大丈夫ですよ」かわいそうな係員さんに逆に変な気を使い始めるけん。謝るのは得意だけど、謝られることはめったにないし。
だって空港で働く人達は本当に大変だと思う。
いろんな変なやつがいろいろ変なモノを持ち込むんだもの。
まあ、それはともかく、しめしめ、肝心のブツがばれなくてよかった。
元気いっぱいベルリンへ。
ベルリンに帰ってきてから、さっそく仕事机に向かって気付いたけど、「これが凹み彫刻」的な鎧、「やらなきゃ」みたいな無意識の重圧がとれて、心が身軽になれている自分がいました。
こんなのつくりたいな、かっこいいだろうな。
という、意欲とワクワクが倍増、フサフサ!!(アデランスじゃないんだから。。)
真っ先につくったのが凹みハウス。
これ、前からやりたかったんだよな。
将来的にはこれを木の上に設置して、コウノトリとかが営巣してくれたら最高なんだけど。とけっこう本気で考えています。
ついでに4月の出来事も。
4月のある日、ふと思い立つ。
曲げじゃなくてもっと大きな範囲での曲面が欲しい。
そんなもんできるのか、あの工具を買ってみようか、
どのメーカーがいいかな。
いやいや、まずは身近なところで実験してみよう、
ああやって、こうやって、こんな具合かな、
と試行錯誤してみる、
と、やってみたら見事、当り、
練習すれば相当使いこなせるテクニックを発見。大興奮。
いや、でもちょっと待て。。。。なんで今までやらなかったのだろう。
本当にはずかしい限りです。
なんでただボサーとビールを飲んでいたのだろう。
でも言い訳を言わせてもらうと、
こういう発見、進化は同じことを長い間、続けないと出てこないんだよな。
端からみるとどんな簡単にシンプルに思えることでも、
自力でそこに辿り着くには、本当に地道な労力が必要なものなんです。
さらにさらに、自分がその解決策を必要としていない時点では、それは絶対に見えないのです。
はちょっかいの悲劇。
さて、僕が最近取り組んでいた彫刻をあやちゃんにお披露目する機会があった。
とにかく、一番近くにいるので、一番僕の彫刻をわかっている。
なんて言うかな、気に入るかな、と
ドキドキしていたら、
彼女、美術評論家みたいな面持ちで、
「うん、ハチョッカイみたいだね」
とのことでした。
はぁ、さすが言うことが違うな、ふーむ、
でも、いまいち、
というか、全く意味がわからなかった。
さらに
「この辺の形がハチョッカイだよね」
とのこと。
わからない。
まじでわからない。
でも本人は、気持ちよさそうにドヤ顔しているし、
よくよく思い当たるところをひねり出してみる。
ん?あっ!
もしかして、もしかして、三国志、、、、じゃないや。
西遊記に出てくるブタの妖怪、猪八戒(ちょ・はっかい)、
が持っている馬鍬(まくわ)の形を言いたかったの?
そうだとしたら、まじうけるぅ!!
しかもどちらかというと、沙悟浄が持ってる半月刃の宝杖(槍みたいなやつ)の方が似てない?
「それってもしかして猪八戒のこと?」
と聞いてみた時のあやちゃんの顔といったら、それまでのドヤが一気にしぼみ、照れが入り交じって、まーあ恥ずかしそうだった。
でもそんなことにめげない彼女は、
その日の晩から、
そう、
あろうことか、僕のことを猪八戒くんと呼んで逆襲してきた。
僕もやめとけばいいのに、「はい、ハチョッカイだブぅ」とかいって応えるから、
はぁ、
すっかり、ハチョッカイという呼び名が定着してしまいました。
こんな不条理なことありますか。
しかもとらえようによっては、40歳にもなって、妻に豚呼ばわりされてるみたいだし。
これにはぶぅぶぅ文句も言いたくなるぶぅ。]]>
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