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季刊/凹みスタディ

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2014年 09月 11日

届け、ありがとう

9月だけど8月。

8月(疲れる編)

4日間のオランダ行き。
設置彫刻の3Dデータをアレックスにお願いするので、(彼はMIETの近くのドイツ側に住んでいる)
そのついでにオランダでたまっていることをやってしまおう、という魂胆。

大好きなオランダでの車窓。
牧場を眺めて
こんな家に住みたいな、
あの牛うまそうだな、何日分だ、
なんてみていると
なぜか、 そして何気に牛や羊に混じってふたこぶラクダが草を食べていたのだ。
ええーっラクダっ?
なにせコブがふたつそそり立っているので見逃しようがないし見間違えようもない。
でかいし。
何度考えてもいまだになぜラクダがいるのか、その必要があるのか意味がわからない。

たぶんだけど非常用かな。

MIET着
あわよくば、アカヤンマを捕まえてリベンジだ、と燃えていたが、けっこう寒くてトンボなんて一匹もいないありさまだった。

あやちゃんもいないし、もう好きなお肉を食べ放題、なんて思ってたくさん買ってみたが食べ過ぎて具合がわるくなった。(どうしてぼくは学ばないんだろう)

結局、残ったサラミやショルダーハムはイェップ(犬)に喰わせた。

アリさんにつくらせた彫刻を、今度はブロンズで鋳造する。(ちなみに前回はアルミだった)
来年の札幌での展示でみせるのです。

アレックスが来てくれてミーティング。
話しが早くて気持ちいい。

デンハーグ、凹み視察。
ここの市立美術館内にある小さな作品ばかりを集めたミニチュアミュージアム、というところから作品をつくってよ、とのこと。
けっこう延ばし延ばしにしてきたが、もう言い逃れできなくなった。(未だに迷っているけど)

美術館の付近をプラプラしてみたが、
これしかないよな、という感じの秀凹をみつける。
でかいビルの門付近だし、
いやだなぁ、と思いつつ始める。
と、すぐに
見上げるようにでかい黒人のガードマンが、、(ふぅ)

あんた何やってんの?

いやーそのー、凹みだよ、凹み。凹みを採ってんの。

はぁ?(そりゃわかるわけがない)

(手を止めて)ほらこういう風に形を集めてるの。特に汚したりしないから大丈夫だよ。(ピンと来てなさそうなので本や写真をみせる)

へぇ、こりゃおもしろいな。
どこから来たんだい、何人だい?

日本人です。

そうか、そうか、俺も
フィジーから来たんだよ!

、、、も?
この人の中ではフィジーと日本に共通点があるらしかったが、特に触れないでおくことにした。

雨が降ってきそうだったので急いでいたのだけど、彼は長々と話し続ける。
と、案の定、雨が降ってきた。雨はペンが効かなくなるので凹みトレースの天敵。

ちっ、とは思ったものの警備室で雨宿りさせてもらい、
他の二人のガードマンにも紹介され、話しているうちに
まぁ気分も落ち着く。
すぐに雨があがったので再開。
屈強な味方もいるし安心してできた。
この方法いいかも。
まぁおかげでいい凹みも採れたし
最後にセヴァ(その大男)に持っていた最後のカタログをあげる。
これも何かの縁だよね、
そうだね、ハハハハ、
なんてやっていたら、大事な最後のカタログを泥の上に落としやがった。
ノープロブレム、ノープロブレム、なんて言ってるけど、
おまえがプロブレムだっつうの。
(いい人でしたけど)


ロッテルダムへ、
バカンス帰りのミリアム家で晩餐。
楽しくおいしくいただく。
いい気持ちになってきて、、、

うーん、どうしてそんな無茶言うかなぁ、
どうして夜中の11時から展覧会の搬出(大掛かり)を始めてぼくに手伝わせるかなぁ。
夜は仕事しないし、特にお酒を飲んだらやらないって言ってるのにぃ。

ロッテルダムでは例外なく毎回疲れます。


8月(悲しい編)

札幌の友の訃報を知る。
なんという。
もう身体が崩れ落ちそうになる。

いろいろな後悔が頭に浮かぶ。
人の死というものは必ず、それにまつわる後悔をつれてくる。
というかそれが一番つらい。

離れているぼくに出来ることは何もない、
のがもどかしい、
誰とも話せないし、
お線香をあげることもできない。
でも何事にも一人で向き合う、という環境を選んできたのも僕だし、
今はそれを通すべきだ。
こんな時でも唯一自分がやらなければいけないことは、
はい、わかっています。


ただ、ただ今は時間が過ぎてほしい。
それしか悲しみをやわらげる方法を僕は知らない。


しばらくは会えないけど、また飲みましょう。

遠いベルリンにもあいさつに来てくれてありがとう。

(そう、訃報が届く前日の夜、お風呂にお湯をためていると、血が2滴、お湯に落ちてにじんでいた。二人ともケガなんかしてないし、どうにもおかしいと思い、お風呂は急遽中止。
玄関には片付けたはずのお客さん用スリッパがきれいに並んでいるし。
でも怖い感じは全然なく、すがすがしいなつかしさのようなものを感じた。
誰かが何かを知らせようとしている、というのだけはわかったのであちこちに電話する。も、誰がきてくれたのかはわからずじまいだった。
訃報を聞いて、ああそうか、とわかりました)

by hecomi-study | 2014-09-11 01:13


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